第46話 足音
いらっしゃーい!
やあ、きみか!
今日はどんな話が良いか考えて来てくれた?
ほうほう、見えないのに近づいている感じか~
確かに見えないと余計にドキドキしちゃうよね!
うんうん、いいね!いいね!
じゃあ、今日は見えないそのリクエストに応えて
存在に追い詰められるお話しにしてみようか!
◇◆◇◆◇◆◇
コツン、コツン、コツン――
靴の音が夜道に響く。
今夜も残業に続く残業で、終電帰りだ。
終電だと1つ前の駅までしか行かないから
かったるいけど家までちょっとした散歩だ。
今夜も月が綺麗だ。
こーんな疲れ切った平日の深夜じゃなくて
彼女と一緒だったら良かったのに。
心の中で愚痴りながら、また歩き出す。
夜中に響く靴の音はなんとなく楽しいが
ちょっと怖くもある。
自分以外の足音がして、誰もいなかったら……
なんて考えて、笑ってしまう。馬鹿馬鹿しいと。
コツン、コツン、コツン
コツン、コ、コツン、コツン――
何か聞こえた気がして、振り返るが誰もいない。
既に店は閉まって、電気も落ちている商店街だ。
都心でもないから、自分以外はほぼいない道だ。
気のせいかもしれない。
気にし過ぎだな、と自分に苦笑してまた歩き出した。
コツン、コツン、コツン、コツン――
どうも歩調を合わせられている?
ちょっと試してみよう。
コツン、コツン、コツン、コッコッコッ
早足で歩くとやはり誰か付いてきている。
少し進んだ先に曲がり角があるので急いで曲がり
そのまま更に店の裏手に入り息を潜める。
ドクドク言っている自分の心臓が五月蝿い。
じっと耳を澄まして、目を凝らして見ているけれど……
誰も来ないし、何も聞こえない。
はあ~~、と思わず重いため息が出てしまうが
安心して、家に帰ることにした。
コツン、コツン、コツン、コツン――
あんな事があったせいか、今日はやけに音が耳につく。
またしても、追われている気がする。
コツン、コツン、コツン、コツン――
嘘だよな?
振り向いても誰もいない。
自分のメンタルが心配になって来た。
今日は早く帰って風呂にでも入って寝よう。
きっと連日の残業で疲れているんだ。
コツコツコツコツコツ――
早足でさっさと帰宅しようと心に決めて歩く
意外とある距離に徐々に息が上がって行く。
コツコツコツコツコツ、コツン、コツン――
流石に、疲れてペースを落とした、家までもう少しだ
そう思った時にふと背後に気配を感じた。
「捕まえた」
◇◆◇◆◇◆◇
安心した瞬間くるのってドキドキするよねー!
あーっびっくりした!
どうだった?
きみは楽しめたかな?楽しめたなら嬉しいな!
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




