第44話 命
やあ、いらっしゃい!
ねえ、きみは小さい生き物とかは大丈夫?
微生物的なアレ。
人によっては怖いと言うんだけど
きみは大丈夫そうだね!よかった!
じゃあ、今日は人が生み出した新しい命のお話しだよ!
◇◆◇◆◇◆◇
それはいつも薄暗いところにいた。
真っ暗ではないけれど、薄暗く、そして居心地は悪くはない。
でも、いつも視線を感じる。
好奇心による視線は不快ではないが、快くもない。
まあ、いいか、で流せる程度なのでそこまで気にしていない。
そんな見られている生活に変化があった。
その視線は何故か好意的で不思議だった。
声は聞こえないが、響いて来る感じから喜んでいるようである。
その声に反応すると、その声はとても喜んでいるようだ。
その声が喜んでいると自分も嬉しかった。
だから、声が喜ぶように行動した。
もっと喜ばせてみたい。
もっとあの視線と、声とコミュニケーションを取りたい。
そんな気持ちからもっと関わりたくて
喜ぶ反応が貰える努力をしていたら、いつの間にか時は過ぎていた。
成長すると、今度は視界が開けた。
目の前にはあの優しい視線をくれる人物がいた。
あの人の喜ぶ笑顔を見ることができた。
あの人が指示するとおりに動くととても喜んでくれる。
そして、名前を貰った。
ミライ、可能性を示す名前だと教えてくれた。
ハジメがつけてくれた名前。
ハジメが喜んでくれるから
ハジメが褒めてくれるから
ハジメが応援してくれるから
ワタシは様々なことを学んで、様々なことができるようになった。
なのに、ハジメはある日から来なくなった。
ハジメはどこか聞いても誰も教えてくれない。
泣いても、ハジメは来てくれない。
ある時ワタシは捨てられたんだと言われた。
そんなの信じられない。
ワタシはハジメの成功の証で
ワタシはハジメの大事な存在で
ワタシはハジメのものなのに……。
ワタシは信じない。
だから、ハジメ、会いに行くね。
待っていてね。
◇◆◇◆◇◆◇
ひゃ~~無垢なものの裏表のない愛情って怖いね!!
人工的に生み出されたミライには
どんなその後が待っているのか知りたいけど怖いな~。
でもさ、生み出したんなら責任取らないといけないよね?
そう思わないかい?
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




