第43話 水中の花
やあ、こんばんはー!
色んなお話しを読んでいるきみだから知っていると思うけど
人の目って案外色々見えていないのって知ってるよね?
見間違いもするし、錯覚もする。
だから騙し絵なんかもあるんだけど、上手いよね。
それが楽しい方で出ている時は良いんだけど
何かを隠蔽するのに使われたり
逆に気付いてしまったがために危ない目に!
なんて事もありそうだよね?
今夜、きみは何を目撃するかな?
◇◆◇◆◇◆◇
夜の室内プールでのカクテルパーティーに友人誘われた。
ホテルの最上階にあるプールは摩天楼を見渡せる美しい景色と
洒落た水着を着た女性、余裕のある男女が集まっていた。
プールサイドにはバーテンが控え
各種カクテルなどをオーダーに合わせて作っている。
ウェイター、ウェイトレスもプールサイドである事から
水着着用でカジュアルみ見えつつもちゃんと制服らしい
揃いの衣装で隙はなく清潔だ。
オレは友人が好みの女性を口説きに行ったので
綺麗な景色を眺めながらロックのウイスキーをちびちび飲んでいた。
なんとも非日常的な空間を自分なりに楽しんでいたのだが
小さな女性の悲鳴と共に水しぶきがかかった。
驚いて振り返ると、女性の長い髪が広がり、水の中に花のように開いていた。
綺麗だ
そう思った次の瞬間、彼女は勢いをつけて浮かび上がって来た。
まるで人魚のように髪を揺らして水を飛ばすと
「ごめんなさい」と笑顔で謝って去って行った。
それだけだけど、オレの心に彼女の姿は刻み込まれた。
あの水中花のように美しかった彼女をもう一度見たい。
それから予算と時間が許す時は
あのプールで行われるカクテル・パーティーには参加するようになった。
彼女共仲良くなり、恋人になれた。
弾けるような笑顔が可愛い彼女は自慢だ。
でも、オレは水の中に沈む、美しい彼女が忘れられない。
ある時、彼女に協力してもらって再現して貰ったのだけど
やはり美しかった……。
この瞬間を閉じ込めたくて、オレは水中も撮れるカメラを用意した。
この綺麗な彼女を、水中花になった美しい彼女を永遠にするために。
オレは彼女専用の小さなプールを用意した。
彼女がそのままの姿で永遠に残るように。
今日も美しい水中花は、オレの部屋に花開いている。
◇◆◇◆◇◆◇
いやぁ~魅了されたのは分かるけど……
人の欲望はどこまで行くか分からないね。
でも、美しいものを美しいままに残したい
それ自体は永遠のテーマだよね!
手段は、もちろん選んでね?
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




