第41話 呪われた舞台
やあ、いらっしゃい!
そう言えば、きみは刷り込みとか実感した事ってある?
一時期流行ったサブリミナル効果とかだね!
あれってさ、無自覚の洗脳だから
意図して、面白いように使うと、面白いことになりそうだよね?
今日はそんな狂気のお話しだよ!
◇◆◇◆◇◆◇
その舞台作家は、とある事件で恋人を失ってから
全ての人を恨んでいた。
知っている人とかではなく
文字通りの全ての人。
今となってはどうしてかは不明だけど
その作家の残した日記に、全てを呪うような言葉が残されていたらしい。
そんな逸話もある作家の舞台劇はずっと人気だった。
亡くなった後も、不屈の名作としてずっと上演されている。
何故かその劇を観劇した人や、舞台に立っていた演者が
自殺すると言う話も良く聞いたが、信じられていなかった。
何ともならない人の方が圧倒的多数だったのも多いのだろう。
だけど、ワタシは本番で舞台の上で演じていて気付いてしまった。
嗚呼、私は選ばれたのだと。
ワタシはこの舞台の幕が下りたら、この汚れ切った魂を浄化しなければいけないと。
ライトが、神の宣告のように伝えてくる。
監督も神の御許に送るべし、と。
だから、ワタシは笑顔で舞台を最後まできちんと終える。
舞台女優として、最後の舞台を完璧に勤め上げた。
観客たちの惜しみない拍手に応え、そしてワタシは女優からジブンに戻る。
監督はいつも舞台の後は一人で行きつけのバーに行くのを知っている。
駐車場で待って、鍵を開けた所に押しかける。
警戒もしていない監督に笑顔で近付き、忘れ物ですよ
と、差し出したコンビニで買った包丁で首を切り裂き、そのまま車に乗せた。
さあ、後は自分の魂を浄化するだけだ。
帰宅して、シャワーを浴びて身ぎれいにしてから、手首を切った。
綺麗な赤は、炎を思わせる綺麗な赤だった――。
◇◆◇◆◇◆◇
凄いね~執念を感じるね~!
舞台作家は一体どこに洗脳のトリックを仕込んだんだろうね?
しかもそれが何年も判明しないなんて……!
人が亡くなっても、いいものを求める人の業は深いねえ。
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




