第29話 帰って来た子
こんばんわ!
ふふっ きみに会えるこの時間が最近とっても楽しみなんだ!
今日はね、怖いと言うよりは不思議なお話し。
昔から神隠しって日本だけじゃなくて世界中であるの知ってる?
名前は色々なんだけど、共通点があるんだよ。
ある日、ふっと行方不明になってしまって
何日か経った後、何事もなかったように帰って来るんだ。
しかも行方不明だった間の記憶はなくて
帰ってからは少し性格も変わってしまうこともあるんだって。
どこかへ行ってしまった間、何があったんだろうね~?
帰って来た子は本当にいなくなった子なのかな?
◇◆◇◆◇◆◇
僕はいつもどこか違和感を感じながら毎日過ごしていたんだ。
家族は仲が良いし、友達もクラスメイトも仲は悪くなくて
僕も友達と出かけたり、遊んだり楽しいはずなのに
ふと、疎外感を感じる。
僕の居場所はここじゃないんだって。
何故かは全然分からないんだけど
僕はここで生まれ育ったはずなのに、僕だけが異分子なんだ。
もしかしたら、僕に四~五歳頃の記憶がないでいかもしれない。
だから、無意識に僕は居場所を探すようになった。
少し遠くに行ってみたり、高校生になって一人旅もするようになった。
けど、まだ僕の居場所は見つかっていない。
そんな時、面白い都市伝説の話しを聞いた。
高層ビルなどでエレベータが分かれているエレベータで
一定のルールで階の選択と解除を繰り返すと本当に行きたい場所へ繋がる。
ただし、それは一人かつ手順は意外と複雑なので時間がかかるから
高層へ行くエレベータである必要があるそうだ。
くだらない、と思いつつも何故か無視できなかった。
僕は閉店間際のデパートからホテルへと繋がっている高層エレベータに乗り込み
上に上がっている間に教わった手順を行う。
最高層階、ニつ下、更に七つ下、五つ上、六つ下
そして二つ目に押した階を除いて最高階からキャンセルしていく。
そして、扉が開いた先は……真っ暗な空間だった。
奥に明かりが見えている。
恐る恐る足を踏み出すとちゃんと地面はあり、一歩、二歩と足を進めると
明るい空間は温かな光で溢れていた。
いつの間にかエレベータの扉は閉まって消えていたけど
ボクは全く気にならなかった。
何故ならボクの心は歓喜で溢れていたから。
「帰ってこれた」
そう、やっとボクはボクの安住の地へとたどり着けたんだ!
◇◆◇◆◇◆◇
いやぁ、良かったね~!
本当に彼はやっと故郷とも言うべき場所に辿り着けたんだね!
それにしても、この彼は一体誰でどこへ帰ったんだろうね?
気になるな~、気にならない?
さあ、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




