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黒猫の図書館  作者: あるる


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第23話 おともだち

 こんばんは~。

 いらっしゃい!


 そういえば、きみはいつも一人でくるよね?


 きみは友達は多そうだけど

 ここはちょっと特殊な場所だしね!


 一人の時間を楽しめるのも大事だよね。

 まして楽しい事は自分のペースで楽しめないとね!


 でも、世の中には一人は嫌な人もいるらしいから

 難しいね~。



 ◇◆◇◆◇◆◇



 私は、いつも独りだった。


 母は私に興味がなかったので

 人と関わるのが苦手になってしまった。


 でも、いつも寂しかった。

 寄り添ってくれる人が、欲しかった。


 そんな私の寂しさを埋めてくれる方法が手に入った。


 守護霊が人形に入ってくれて、一緒に過ごせるという儀式の噂。

 最初は眉唾物だって信じていなかった。


 藁にも縋る思いで、儀式を行った結果

 私の守護霊が、私のぬいぐるみに宿ってくれた。


 この子は私の初めての友達になった。


 それ以来、この子は……

 私と話してくれて

 私と遊んでくれて

 私と一緒に居てくれて

 私に寄り添ってくれる。


 やっと私は幸せを感じられた。

 私は独りじゃなくなった。


 私は改めて子供の頃にやりたかった

 隠れんぼやトランプなど

 一人では出来ない遊びを一緒にした。


 独りじゃないことが

 なによりも嬉しくて嬉しくて楽しかった。


 時間はいつもあっという間に過ぎてしまって

 学校に行くのも億劫になった。


 それまで真面目に学校に通っていた私を

 担任の先生は心配してくれたらしい。



 そのせいで、母にバレてしまった。



 高校生にもなって人形遊びなんて!


 そう怒鳴り散らす母は般若のように恐ろしく

 恐怖のあまり何も反論もできず

 私は耐えるしか無かった。


 そんな私の態度に腹を据えかねた母は

 あの子をカッターで切り裂いた。



 柔らかなぬいぐるみの体はあっさりと切り裂かれ

 ボロボロになり、綿を散らしたあの子。


 綿は本当の血のように見え

 私は半狂乱で泣いたけど、母は止めてくれなかった。


 だから、母を突き飛ばして、母の持っていたカッターを奪った。



 夢中で抵抗して、泣いて、泣いて

 気付いたら夜になっていた。


 いつのまにか母はいなくなっていて

 あの子は床で泣きながら寝てしまった私に寄り添っていてくれた。


 あの子はバラバラにされたのに、

 泣かないでって私を慰めてくれる。


 真っ暗な中、何故かあの子だけは見えた。


 あれからずっと夜に囚われている。

 でも、夜は全てを隠してくれるから、嫌いじゃない。



 ◇◆◇◆◇◆◇



 健気なお人形の話しだったねぇ~。


 お母さん?

 お母さんは……どうなったんだろうね?


 ふふふ、「好奇心は猫をも殺す」と言うけれど

 ちょっとだけ気になるよね~。


 さあ、今宵はこちらでお終い。


 また次のお話しを楽しみにね!

読んでいただきありがとうございます!

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