第100話 つづく
やあ、いらっしゃい。
今黒猫くんは図書の整理をしているから僕が対応するよ。
うん? 僕?
僕はどんな存在か、ねぇ……。
僕はそうだね、知識かな。
肩書きとしては叡智ある者、と呼ばれているよ。
僕は知っているから、物語を作り出せるんだ。
それを語り部である黒猫くんが拡散して
図書館が記録として残して
黒ツグミの監視者が行く末を見届けるんだ。
綺麗に役割分担出来ているだろう?
そしてこの図書館は害意あるものには見付けられない、と再定義してある。
僕たちはね、この狭間の空間で揺蕩いながら
新しい物語の誕生を見ているだけさ。
……まあ、時にはちょっとだけ手を出すけどね。
じゃあ、今日は生まれたてほやほやのこちらのお話をどうぞ。
◇◆◇◆◇◆◇
閉鎖された空間は用意に、そして安易に日常空間を非日常へと変えてしまう。
しかも、そのほとんどは喜ばしくない方へ、だ。
最近は嫌な事故が起きているから、知らない人が多い分には良いけど
全くの他人と2人になってしまうエレベータは避けていた。
確実に1人で乗り込んだはずなのに……背後に誰か、いる。
驚いて振り向くと誰もいなかった。
気配は感じるというのに。
疲れているのかもしれないと、何とはなしにエレベーターのモニターを見上げる。
四文字熟語クイズが出ていてちょっと面白い。
解答が表示され、クイズも正解を確認して、次は何がでるか待っていると
エレベーター内が表示され、私の真後ろに男性がくっつくように、いた。
全身を襲う寒気に震えつつ、後ろを向くけど、誰もいない。
恐る恐るモニターを見ると徐々に私へと男性が距離を詰めている。
思わず息をのみ、なるべく壁へと寄るが、頭上のモニターでは……
私の首へと男性が手を伸ばしている。
恐怖のあまり身が竦み、声も出ない。
目の前には何も見えないのに、誰かいる、その非現実感に脳が理解を拒否する。
助けて、お願い誰か、助けて……!!
もう私に届く手をモニター越しに見ながら
涙を流しながら祈るしかない、私は無力だった――。
◇◆◇◆◇◆◇
オーナー直々の紹介なんてラッキーだね!
さて、今日のお話はどうだったかな?
見えないのにそこにいる、透明人間って浪漫だよね~!
本当にあそこにいたと思う?
モニターに映っていた男性は何者なんだろうね~?
さて、お話はここまで!
お楽しみいただけたなら、何よりです。
改めて!
この図書館はいつでもお客さまを歓迎するよ!
ちょっと変わった、ドキドキする、ちょっとだけ怖いお話が読みたい時は
いつでもお待ちしてます~。
それでは図書館の閉館時間なのでまた来てくださいね!
ボクはオーナーと共に新しいお話を仕入れに行かないと。
それでは、また新しいお話でお会いしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
毎話約1000文字でのショートホラーの連作、お楽しみいただけたなら幸いです。
私個人は最近の原因究明して解決するタイプのホラーではなく
どちらかと言うと和風ホラーの理不尽さ、意味不明さが好きなタイプなので
最後を敢えて明記しないものが多くあります。
スッキリしないで、残るのもホラーらしさだと思っているのもあります。
追々図書館や黒ツグミ視点などの番外編を追加したいと思います。




