第10話 呼ぶ声
やあやあ、いらっしゃ~い!
蒸し暑~い季節も大分終わって
今日みたいな日は読書が捗るよね!
そうそう、読書のお供と言えば飲み物だけど
きみは珈琲派?紅茶派?それとも全く別のもが好き?
珈琲!
珈琲は香りが強くて良いよね!
あの苦みがスッキリさせてくれるし。
じゃあ、今夜はこのお話を珈琲と共にどうぞー!
◇◆◇◆◇◆◇
森の中に響く友人の声に良く似た声が響いている。
日も落ちて足元が見えにくい中、自分の息遣いだけがやたらと耳につく。
今自分がどこにいるのかなんて、分からない。
「ミライ~?どこーー?森の中は危ないよー!!」
「っ!!」
親友の声に聞こえる声が前方から聞こえる。
咄嗟に左に曲がる、誰か、誰か……!明かりはどこ!?
数時間前までは、平和なグランピングだった。
友人たちとグランピングに来て、イベントで少し離れた河原で他のグループも一緒に花火をしたはずなのに……
気付いたら私は置いて行かれたみたいで一人だった。
誰か居ないか探していると、自分を呼ぶ声が聞こえた!
「ミライー!こっちだよー!」
「はーい!」
ホッとしながら、伊孑志で声に呼ばれてついて行くと、何も無い。
「どこー?」
「こっちこっちー!」
もう、待ってくれたらいいのに!と少し八つ当たり気味に思いながら
視界が悪い林の中にはいると、案の定何かに足を取られて滑った。
「いった~」
ぶつけた足に触れると粘ついた、何かに触れた…。
泥かな、嫌だなあ、と思いつつ、ちょっと変な匂いがする。
ついてなさにため息をつきつつ、スマホのライトを付けると周り一面「朱」だった。
あまりの光景に声が出ない。
少し離れた木陰から見える指先がやけに生白くて、現実味がなくて。
でも、その指についている指輪は、親友のアヤのもので……
「ミライー!早くこっちおいでよー!」
そう自分を呼ぶ声は「アヤ」の声に聞こえる
「ヒッ……」
「アヤ、ミライはまだー?」
「ミライ、早くー!」
他の友人の声も聞こえる。
絶対行っちゃダメだと、必死に立ち上がって走る。走る。
なのに大好きな友人たちの声がどこまでも付いて来る。
どこに逃げれば…!!
◇◆◇◆◇◆◇
ひゃあ~、お姉さん逃げ切れたかな?
どうかな?どうかな?
オトモダチの声は普通は安心できるのに
ニセモノだと分からないままの方が幸せだったかもね?
きみはどうかな?
怖い目に合うとしても本当のことを知りたい?
さてさて、今宵はこちらでお終い。
また次のお話しを楽しみにね!
読んでいただきありがとうございます!




