表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エリザベスはただ一人 ~扉を開けて用事は果たしたけど帰れなかったから転生らしい  作者: チョコころね


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/8

1.エリザベスと二人の王子


 

「最近、お嬢様をお手洗いの前でよくお見かけするのだけど……」

「私も見たわ、ドアを開けても入るのでなく、また閉めていたわ」

「お腹でも壊されたのかしら? 料理長に言っておかないと」

「まずはお医者様じゃないかしら……」


 なーんて噂されている頃には、ようやく私も、これはトイレのドアをゲートとした「異世界転移」でなく「異世界転生」だとあきらめがついた。

 この体、金髪美少女の記憶も蘇っていた。


 私はエリザベス・リーンハルト。

 リーンハルト公爵家の一人娘。9歳。

 王国で一人しかいない『エリザベス』の名を持つ子供だった。


 なぜ一人しかいないかと言えば、エリザベスは昔いた賢君、女王様の名前だからだ。

 偉大な女王様にあやかろうと、一時期、貴族令嬢には『エリザベス』がたくさんになってしまった。


(親戚で何人もいたら、ややこしいわよねー)


 これはさすがに不敬であろうと、憂えた当時の宰相によって、『エリザベス』は王家の血を引く女性ただ一人と定められた。

 リーンハルト公爵家に女児が生まれた時、ちょうど他の家に『エリザベス』はいなかった。

 祖父に王弟を持つ公爵は喜んで、娘に『エリザベス』と名を付けたのである。


 だが、子を産んだ夫人は浮かない顔だった。

 なぜならこの国の王妃も、子を妊娠中だったからだ。

 姫なら問題はないが、王子が生まれたら……


「あなた、分かっているの? 『エリザベス』の名を持つ子は、王妃様にはなれないのよ」


 『エリザベス』は女王の名だ。

 何代かの前の王の妃が『エリザベス』だったのだが、王の退位を望んでいると陰口を叩かれた。

 陰口にしても『王位』を狙っているというのはトンデモナイ話だ。


(国家転覆を企てるって意味だもんね。もし本当だったら、家門は断絶して一族郎党打ち首。疑いを掛けられただけで、蟄居閉門!)


 王妃も彼女の実家も大変迷惑をこうむった為、『エリザベス』の名を持つ子は、王太子の妃に名乗りを上げる事はなくなった。

 ついでに、女王にしなければならないという無言の圧力が生じる為、王家の姫にもつけなくなった。

 別に法律でもなんでもなく、ただの不文律だが。





「私は助かったと思うわ。王妃なんて面倒の集大成じゃない。お父様には大感謝だわ」

「君ならそう言うと思ったよ」


 淡い金髪ブルーの目。

 これぞ王子という整った外見の少年、ルーファスが穏やかな目でエリザベスを見ていた。


「結局エリザベスは、公爵家の跡取りなんだから、正解じゃない?」


 青銀色の髪にブルーの目。

 髪色以外は、隣と見分けが付かない程よく似ている少年、ヒューバードが、エリザベスに笑いかけた。


 この国は女子でも貴族位を継承できる。

 歳の近い男子が産まれていればまた別だろうが、今の所エリザベスは長女で一人っ子。

 このまま順当にいけば『女公爵』の未来が待っていた。




 エリザベスは、目の前に座る二人のキラキラした男子を見て、ため息をつく。

 二人は、エリザベスの半年後に生まれた王太子と、その三ヶ月後に生まれた第二王子だった。

 王太子のルーファスは王妃の、第二王子のヒューバードは側妃の子供だったが、二人はとてもよく似ており仲も良かった。


 二人は幼い時から、親戚であり、『王太子妃になる可能性のない』事から、周囲が安心して任せる事の出来る、エリザベスの所によく遊びに来ていた。

 兄弟のいないエリザベスに取っては、二人とも弟のようなものだ。


 とは言っても16になったエリザベスが、貴族学校に通い出してたので、今日は久しぶりの顔合わせだった。



…お父様は変わり者で、切れ者。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ