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悪熊

伏竜が言った通り白眉は

熊のようなものを担いで帰ってきたが

違うんだよなぁと白眉はチッチと指を振る


「これは、悪熊(あくま)と呼ばれる魔物じゃ」


「え、なにダジャレなの?」


一心はさっむと言って白眉を変な目で見る


「違うに決まっとるじゃろバカタレ

魔物の命名は、ほぼ大泥棒の野郎じゃ」


一心はセンスないんだねと言ってケラケラと笑う


「なら一心ならどういう名前をつけるの?」


「熊ベア。」


大真面目にこれを言うのが

一心の怖いところだ


「そんな話をしてる暇はないぞお前たち

この悪熊を捌くのが初めの訓練じゃ」


「え、瀕死にしたからこいつを

倒せとか言うんじゃないの?」


「いや、この悪熊どう見ても死んでるでしょ」


生き返るかもしれないじゃんかと

唇をとがらせる一心の肩に白眉は手を置く


「魔物ってのは、昔存在したとされる

生物を狂暴にして強くしたものじゃから

大体のやつは生き返るなんてことはまぁない」


それは世界の常識なのか分からないけど

伏竜は白眉が朝言っていたことを思い出し

自分の育ての親である白眉に疑問を抱いていた

一体彼は何者なんだろうと。


そんな、伏竜の考えなんて知らない一心は

魔物を捌くとはどういうことかと白眉に尋ねる


「普通に考えればわかることじゃよ

この世界の野生動物はほぼ魔物じゃから

旅に出るのならこいつらを倒して食べねばならん」


「つまり、戦うには早いから

攻撃の通るところや食べれるところを

まず学習していこうって事か」


流石じゃなと伏竜の頭をワシワシと撫でる


「え、これ食べるの?

全然美味しくなさそうなんだけど」


一心の言う通り悪熊は3mくらいの巨体にくわえて

血管が浮きでていて

お世辞にも美味そうとは言えない


「何を言う、これは高級食材なんじゃ

見た目はこんなんじゃが、肉は絶品だぞ?」


「なら早速始めよ!」


白眉の言葉にまんまとのり

一心は家から包丁を2つ持ってきてウキウキしてる


(かわいい)


包丁を持ってウキウキしてる2人に

白眉はチッチと指を振る


「今は死んでるからいいが。

もし、こいつが生きていたとしたら

こいつの肉体には、基本的に刃が通らない。

大体の魔物には共通する

弱点のようなものがあるもんじゃ」


それを考えるまで飯は抜き!と2人に告げ

悪熊の死体にどっかりと座り込む


「え、どう考えてもその額の

赤黒く光ってる星マークでしょ」


一心の言う通り既に死んでいるはずなのに

禍々しいオーラを放ち額に大きく鎮座する

星マークは如何にもな弱点に見えるが


「これはただの個体特有の印みたいなもんで

人間で言うとホクロみたいなもんじゃな」


自信満々だったにもかかわらず

ただのホクロと言われても納得いかず

目をぐるぐるさせる一心とは対照的に

伏竜は真剣に考えていたが、ようやく口を開いた


「鎧っていうのを本で見たことがある

それは全身を覆うような鉄でできてるけど

唯一、関節部分は動かすために装甲が薄いって

さっき、白じいも生きていたらと言ってたから

もし、魔物がただ力を入れて

守っているとするなら…」


「なんじゃよお前天才かよ」

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