一心の夢
みんなで朝ご飯を食べたあとに
2人は白眉にもっと色々教わろうとしたが
白眉はそれ以上教えてはくれなかった彼いわく
「物事というのはなんでも詰め込んじゃいかん
朝教えた事も、わしの知識の1%くらいじゃ」
そう言うと少し散歩と行って
どこかへ行ってしまった
また家に残された2人は考えることにした
「結局ビームってどうやったらでるのかしら」
「え、まだその話してたの?まじで?」
さっきは、大泥棒の話を教えてもらった上に
それについて考えろと言われたのに
ビームのことを考えているということは
よっぽどビームが打ちたいらしい
「だって、、ビームが打てるなら
竜ちゃんを守ってあげられるじゃない」
予想外の理由に固まってしまってる
伏竜を横目に一心は続ける
「私って力とか身体能力なら多分竜ちゃんより
上な自信あるけどそれあんまり役に立たないし。
家事とか身の回りの事、全部竜ちゃんに
任せっぱなしだから。旅に出た時
少しでも役に立ちたかったの」
伏竜は愛してる、結婚してくれ。が声に出かかるが
寸前で言葉を飲み込み笑顔を繕う
自分の出来る限りの優しい顔と声で一心に向き合う
「今までもこれからも、一心を
邪魔に思うことは無いよ」
「そんなの知ってるわよ」
「え、なんなの君」
声に出かかっていた言葉はいつの間にか消え
その代わり、ちょっとした軽蔑の念が
伏竜に芽生えてしまった。
「ねぇ、竜ちゃん。あれ白じいかな?」
白眉が散歩に行くと言ってから
ほんの数十分しか経ってないと思うが
少し遠くには人影がぼんやりと見える
「村に来る人なんていないから
白さんだと思うけど…影おかしくない?」
伏竜の言う通り明らかに白眉の影よりも
ひと周りかふた周りほど大きい
「なんか、パンプアップでもしたんじゃない?」
「それ熊くらいでかくなってないと
辻褄合わないじゃんか」
影は2人がよく見えるほどになると
なにか担いでいるようだった。
「おーい!お前たち、今度は実践じゃー!」
白眉の姿がはっきり見えるようになったのと
声が聞こえてきたのは同時だった
「声でっか!」「熊?!」
一心は声のデカさに驚いているが
普通は伏竜のように白眉が担いでいる
熊のようなものに驚くのが当然だろう