育ての親
それから数日たったち
伏竜は、いつものように朝早くから
洗濯をしながら考え事をしていた
「2人旅…一心が本気なら行きたいなぁ」
家事や運動神経、頭脳までも完璧な彼だが
常々一心の事しか考えてない上に
小さな村で育ったゆえに世間知らずなのが玉に瑕だ
「お、伏竜!今日も精が出るなぁ!」
物思いにふける伏竜の耳に、朝とは思えない程の
声量が耳に入り、思わず耳を塞ぎそうになるが
これもいつもの事で慣れているため
洗濯を続けながら返事を返す。
「あぁ、白さんおはよう。
白さんこそ今朝は少し早いね何か用事?」
隣の家から出てきたのは
短く整えられた白い髭に少し長い白髪を
オールバックにした、豪傑そうな老紳士だ
「いや、ただの老化じゃよ…」
老紳士は、自分で言いながらも
ガックリと肩をすくめる。
その様子にくすくすと笑う伏竜。平和だ
「そんなこと言ったって人間は歳には
勝てないんだし仕方ないんじゃない?」
「いや、わしはこれでも昔は
世界中を回ったし世界一強かったんだぞ」
伏竜は洗濯を干しながら
また始まったよという顔で聞き流す
老紳士の名は白眉
赤ん坊だった一心と白眉を2人の両親達の
死に際に、2人を預けられてからは
保護者のように、伏竜たちの面倒を見ている
気さくな人物である
彼いわく昔は、世界を回る旅人だったらしい
この手の話題を振ってしまうと
すぐに、白眉がノリノリになってその話をするため
大方、だいぶ盛ってるのだろうと
内心伏竜は思っていた。




