2人っきりの反省会
白眉に何一つ及ばず敗北した夜
2人の家では反省会が行われていた
「あれ、無理じゃね…?」
「いや、ほんとにね。なんか同じ
生物とは思えなかったよね」
魔物なんじゃないのあの人とボヤく一心に
伏竜も苦笑する
「実際、僕なんて手も足も出なかったからなぁ」
「それは私の方に向いたか…」
伏竜をフォローしようと口を開いたが
途中で何かを思い出したように
ピタリと話すのをやめてしまう
「どうしたんだい?もう眠い?」
「え?!、あ、いや、さ、その…ね?」
唐突に歯切れが悪くなった一心を
心配する伏竜だが心配の仕方が親のそれである
「眠くは無いけど、だから…やっぱり何も無い!」
何言ってんだこの子とでも言いたげな
目を向けながら、何も無いならいいやと
伏竜白眉に勝つための算段を考え始める
なんて出来なかった。なぜなら
(白さんめ!あの惚れてるってとこ多分一心に
聞こえてたんだ!今まで言ってこなかったから
聞こえてなかったんだろって思ってたけど
普通に考えてそんなわけないだろ!)
伏竜が頭の中で白眉への殺意を募らせる中
一心の心の中も当然のように平常ではない。
(ほんとに、なんなのよ!白じいが言ってたのって
やっぱり例え話だったの?!当の竜ちゃんも
全く気にしてない様子だし!なんか私の
考えすぎみたいで、モヤモヤするんだけど!)
2人とも考えてる事は似たり寄ったりだが
次に考えることは全くおなじだった。
(明日、白眉のことぶん殴ってやる。)と