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わたし

作者: 黒田むつみ

短大を卒業して念願の幼稚園教諭になってもう五年。

別に今の生活に不満があるわけじゃない。仕事だって楽しく、そして子供たちの成長に喜びを感じているし何よりやりがいだって感じているんだから。付き合って三年になる彼氏とも順調だよ。 

でもね、私何年経ったって多分このままだわ。普通に仕事を続けて、結婚して。

多分、恵まれているとも思うんだ。今の私を羨ましがる人だっていると思うし。だから、幸せといえば幸せなんだよね、きっと。

このままでいいんだけれど、でもつまらないの。

普遍的な毎日にちょっと退屈しているといえばそれまでだけれど。

でもしょうがないよね。私、自身普通でつまらない人間なんだから。

普通な私がちょっと嫌なだけなんだよね。

でもさ、こんな私にも景色が変わるようなそんな、生きていることにそれだけに喜び感じるような出来事がいつか起きるんじゃないかってちょっぴり期待している。


でも、私間違ってたわ。

今日ねクラスのみんなに将来何になりたいですかって聞いたんだ。みんな、テレビでやってるなんとかレンジャーとかケーキ屋さんとか言うんだけれど一人こんなことを言う子がいたんだ。

「大きくなったら何かにならないといけないの」

「大きくなったらしてみたいこととか、なってみたいものとかないの」

「先生、僕は僕だよ。大きくなったって僕なんだ」

はっとしちゃった。

そうだよね。いつまでたっても私は私なんだよね。


変わらない朝が毎日やってくることの幸せ。

私の大事な人が元気でいてくれたら、それって幸せだよね。

明日もみんなの笑顔に会えますように。



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