いろあせていくもの
ねえ、本当はあなたはここにとどまってはいけないんでしょ?
そう君は問いかけた
君は僕に、戻れ、というのかい?
僕は、どうにかして、なんとかして、この時を待っていたのに
なぜ、君はそんなふうに指摘できるのかい?
君だって一人になってしまうんだよ!
そうさ、君の思っている通り
いや いま君が指摘したとおり
これからの道は僕の決意次第なんだろ?
一方は灰色と雨色の、実際にたどってきた現実の時
もう一方は金色と夕暮れの、見ることのできなかった時
君は一人で大丈夫なの?
僕はもうすでに彼女を亡くしている。
僕は君をもなくしてしまうのかい?
せめて、せめてあと一時、あと二時、あと三時。
いや、もっと。
ひとたび合えたら、ふたたび会いたい。
いや、みたび会いたい。そして、いつまでも。
わかっているさ。
多分、永く、永く......
永遠を耐えて待てば、またいつか会えると言いたいんだろ?
でも、その時には今の二人の間の熱は、別の何かに変わっている気がする。
多分、僕は君が次第に金色から銀色に変わっていく姿を見たくないんだ。
僕は、どうしたらいい?
僕はやはり無力だ。