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魔王の娘  作者: 守 秀斗
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第十一話:魔王、大麻を処分する

 ある日、

「ウヒャー! マオちゃん、見つけたよー! アヒャヒャヒャ!」とアンナちゃんが、なぜかヘラヘラしながら魔王の間に入ってきた。

 様子がおかしい。

 なにやら手に雑草を持っている。

 どこにでも生えていそうな草だ。


「何それ」

「アロマの香りがする草だぞー! マオちゃんにあげる!」

 ほんまかいな。

 何だか変な匂いがするぞ。

 煙も出ている。


「なんで火を点けたの、アンナちゃん」

「ランプ落としたら、火がついた。そしたら、いい匂いがして、気分が良くなった、アヒャヒャ」

 アンナちゃんの目の焦点が合ってないぞ。

 おいおい、まずくないか。


 イフリートを呼んで、アンナちゃんが持ってきた草を見てもらう。

「これは大麻ですね」

 麻薬じゃないか!


 私は麻薬は一切禁止にしている。

 けしからん。


「アンナちゃん、どこから持ってきたの」とちょっと怖い顔で聞くと、

「城の外だよー!」とヘラヘラしている。


 アンナちゃん、イフリートと一緒に城の外に出てみると、入り口近くに自生していた。

 まさか、我が城の入り口とは。

 部下に命令して、全部引っこ抜いて、処分。


「草が可哀想」とアンナちゃんが残念がっている。

「麻薬は禁止よ、アンナちゃん」と私は厳しく言った。


「なんで禁止なの」

「体に悪いから」

「けど、気分良くなったよ」

「一時的なものよ」

「ふーん、お酒も気分良くなるよね。けど、一時的なもんよね。飲みすぎると体に悪いよね。アル中の人もいるよ。何で禁止にしないの」

「え?」


 言われてみれば、そうだ。

 うーん、どう答えようか。


「イフリート、どう思う」と私が聞くと、

「そうですねえ、お酒は個人差がありますから」

 

「うそつけ、あんたがワイン好きだからでしょ、この白髭ジジイ、瞬殺だ! ヒャッハー!」とアンナちゃんがイフリートの髭を引っ張る。

 まだ、大麻の効果が続いているみたい。


「痛い、痛い」とイフリートが喚いている。

 二人を止める。

 どうも、いつの間にか、この二人、仲が悪くなっているようだ。


「とにかく、危険なものだからダメなの、ダメなものはダメ!」と無理矢理、アンナちゃんを説得するが、アンナちゃんは納得していないみたい。


 世界を支配するってのも、けっこう面倒だなあ。

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