5話 友人
続きです。見に来てくださりありがとうございます。
異世界に来て数時間。
俺が最初に着いた焦げ臭い土地に来ている。
まずはようやくこの世界の情報が手に入りそうだ。
「まずこの世界は5つの大陸で出来ていて、確か・・・僕達は3番目に小さい大陸にいる筈。
この世界ももちろん丸い」
「で、俺達はその大陸のなんて言う国に居るんだ?」
「まず、さっきの元王国はアステルという。その意味は《 星 》というらしい。あの国に壁があっただろ?」
確かにそれらしき跡はあった。
「それがあの国の定めた国境だ。
そして僕達が今居る所はどこの国の土地でも無い場所、あっちの世界で言う公海みたいなものだ。
そしてここは、南アステル平原と言うらしい」
「らしいって何だよ、らしいって」
『そんな事より魔法!』『魔法はよ』
「実は前に・・・1週間前位に地図で少し見たんだが、この世界の地理は分かりましぇん。
それにしても何だよこの有様は!」
と冗談っぽく斉藤が言う。
「知らねぇよ、そんなこと。それより魔法の情報はよ」
「ああ、そういえばそうだね」
「そうだよ。俺に見える幻覚もそう言ってるぜ?」
『魔法はよ』『魔法はよ。』『魔法はよ』
相変わらず邪魔だな。
前が見えずらいんだよ。
「幻覚?お前幻覚見えてんの?どんな?」
あっちの世界での唯一の友が煽り気味に言ってくる。
「あっちの世界にニヤニヤ動画ってあっただろ?そんな感じの文字があんな感じ字がで流れてくんだよ。もー邪魔でしょうが無い。」
『うるせー』『邪魔とか地味に傷つくわー。』
「あー、その例えは分かりやすい。で、いつから?」
「こっち来てもう一回死んで、生き返ったら見えた」
この世界での経緯を軽く説明した。
「また死んだのかよ。って事は・・・マジック、ステータス鑑定・・・やっぱりゾンビかよ。HP低っく!それよりMP多いな。お前も無駄なスキル持ってんな」
「何だよ。独り言か?」
「なあ」
「何だよ。」
「そいつは何体居る?」
「そいつ?ああ、お前ら一体何人よ?」
『さあ?』『今は多分5人』『多分な(ここ重要)』
お前らって俺の幻覚じゃ無かったの?
『幻覚じゃあねーよー』
えぇ・・・
「多分5人だってさ。」
『あっ増えた』『増えたゾ』『新人ちっすちっす』『オッスオッス』
え?増えたの?
「増えたらしいぞ」
「マジかよ。マジック、ステータス鑑定・・・あっマジだ増えてる」
「なんで分かんの?」
「じゃあ、お前にスキルの使い方教えてやろう。マジック、ステータス鑑定って俺に言ってみ?」
「えーっと、マジック、ステータス鑑定。なんか出た」
すぅっとなにか最初にステータスとだけ言って出したステータスプレートと微妙に違うやつが出てきた。
「で、どうだ?見えるか?」
「うん見える見える・・・ん?」
斉藤のステータスプレートを見ていると、2つ、目を引く名前の称号を持っていた。
厨二病・・・そして聖力操作
『www』『www』『www』『聖力ってなんぞ?』
「厨二病・・・だろ?
お前も持ってんぞ?」
『www』『www』
「・・・は?」
『厨二病www』『お前もかよwww』
「おい・・・厨二病の称号ってなんの効果がある?」
「今の所は・・・わからん・・・」
は?
『は?』『は?』『は?』
「そういえば、俺らコミュ力上がってね?」
「あ、思った?コミュ力上げる能力だったりしてな。ははは 。」
「ははは。」
空笑いだけが響く。
俺達は・・・特に俺は引きこもってばっかでろくに人と話したことがない。
こいつとはあっちの世界で俺が死ぬ一週間前位にテレビ電話で話したり、通話しながらゲームしたりした位だ。
『コミュ障の究極形』『コミュ障じゃ無かったの?』
何だよお前ら。そういう事言うの辞めろよ、けっこー傷つくからよ。
「何だよお前さっきから情緒不安定だぞ?」
「そうか?そうだとしてもこの幻覚?のせいだかんな?」
『幻覚じゃあねーよ』『幻覚じゃねーよ』
幻覚じゃねーならなんなんだよ?
ホントに視界が悪くなるし、情緒不安定だゾって言われそうだし・・・って今さっき言われたし。
「魔法の情報はよ」
「ああ、わかった。
まず、あっちの世界で言う魔法とこっちの世界で言う魔法とではのニュアンスが少し違うんだ」
「ニュアンスが違う?」
「とりあえず今は魔法と表現するけど、この世界で言う所の魔法は、まず大まか分けるとに2つある。」
「2つしかないのか?」
「大まかに分けると、だ。そしてそれは、聖と魔に分けられる。この世界で言う魔法は聖と魔に分けた内の、魔の方という訳だ。」
そうか・・・
それじゃ確かにあっちの世界と意味が違うな。
「でも魔法,聖法?以外に火とか水とかないのか?」
それが無かったら流石に嫌だぞ?
「待ちぃなさぁい。早とちりするでない。さっきも言ったであろう?大まかに分けると、と。」
「す、すまん?」
何だろうこのノリ。
そういえばもうアニメは見れないのか・・・
なんだか悲しくなってきた。
「どうした。突然、悲しそうな顔して。」
「もうアニメは見れないのかと思うとな・・・」
「あ・・・じゃあ一刻も早く日本に帰る術を見つけなくては・・・ってそんな事より」
「あ、そっか。えー、例えばファイアーボール出すとするだろ?」
「ああ、」
「そのファイアーボールが聖か魔かに分けられる。」
『大体わかった。』
『大体わかった。』
大体は理解出来た。
つまり火球を出してもそれが[火球・属性:聖]になったり[属性:魔]になったりするということか。
この場合人によって使える属性が違うのだろう
「・・・ま、まあそんな感じだ。」
「で、俺はどっちが使えるんだ?」
と、完全に知った口で斉藤に聞いてみる。
「お?そこまで理解したのか。」
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