4話 王国へ
ドッツェに連れられて、あれから半日ほど歩いている。
どこへ向かってるのか聞くと、王国を見渡せると言う崖に向かっているらしい。
何故かここは無事だった様だ。小さな祠が目に入る。妙にアニヲタくさい。しかも俺の趣味と見事に合っている。作った奴に会ってみたいな。
「なあ、この祠は誰が作ったんだ?」
「こんな祠はここにあったかな?・・・
そんな事を言っている内に着いたよ?お疲れ様。ここから見えるあれが王国"だった"ものだ」
「なんだよ・・・あれ・・・」
衝撃の光景に息を呑む。
かつてたくさんの家々があったと思われる瓦礫の山。王国の一端に大きな岩があった。
隕石か?
そして先程までその存在を無視したいた謎の幻覚も『・・・。 』『あれか?あれが王国を滅亡させたのか? 』『おのれ隕石ィィィ!!!』とか言っている。
そして、王国跡地の真ん中にある一際目立つ1番大きい建造物があった。
「あれは・・・もしかして・・・この国の・・・」
「そう、あの1番大きい建物が僕の仕えていた王宮・・・いや、元王宮だよ」
そこから声が聞こえる訳でもなく、見える訳でもない何かが、俺を呼んでいる。
「誰だ? 俺を呼んでいるのは」
『中二乙ww』『でも確かに何かが呼んでる気がする。』
『←確かにそう感じる・・・』
マジでなんだよ?お前ら。ニヤ動かよ(※ニヤニヤ動画。前の世界にあった超有名動画サイトの略称。決してニコニコしてない。)
『そうだよ。(便乗)』『(そんなわけ)ないです。』
「じゃあお前らはなんなんだよ」
「? 私何かしましたか?」
「いや違うんだ。独り言だ」
と、とにかく行こう。案内してくれ」
恥ずかしいわぁ『(´・∀・`)ヘッ』『(´・∀・`)ヘッ』
やかましい黙ってろ。お前らが喋ると前が見えずらくなんだよ。
王国跡地に入った。
「改めて見ると凄まじいな」
「そうですね」
この国に入ってからというもの俺を呼ぶ声(?)が大きくなってきた。辺りを見渡して、王宮の方向から一層大きく聴こえた(?)そこの方角に向かった。
段々と原因の何かに近ずいてる気がする。
そうしているうちに王宮跡地に着いた。通り過ぎたのか?
いや、でもまだ聴こえる。王宮跡地の大体真ん中辺りで反応が下に行った。
反応がある真上に来て瓦礫をどかすと、見た事のある男がそこに倒れていた。
『俺も見た事ある』『あれ?コイツあっちで死んだんじゃなかったか?』『異世界行って来る。とか言う遺書を残してな?』
おい待てなんでそれを知ってんだよ。
『何でお前らも知ってんだよ?(驚愕)』
「おい、ドッツェ来てくれ!」
俺を探していた様子のドッツェが振り向く。
「あっ、居た。で、今度はなんだい?
って、あれ?勇者様じゃないか!すぐ治療しないと!マジック、ショートヒール!」
『( ^ω^)おっ 魔法だ。』『まじかよ魔法だ。』『勇者?』『お前勇者かよ』
そうだ、そういえばあの女神が魔法もあるって言ってたな・・・
「よし、ギリギリ治った」
「ん?なにを・・・って眩し!!!」
「良かった。勇者様、ここで何が起きてたんですか?」
「あ?ああ、ドッツェか。僕にも分からな・・・ブッ・・・ってお前はなんでここに居んだよ!?」
そいつが俺を見て吹き出す。
「人の顔見て笑うとか頭おかしいんじゃねぇか?」
と言う。
「・・・ごめんごめん。昔見たことがある人に似ているもので」
「冗談、冗談。俺がその昔見たことがある奴だよ。ほんとに日本人か?お前は。っていうかなんでお前はその姿なんだよ」
「何だ・・・、ってことはお前のその体も男ってことか。っつーかお前こそ何でゲームのアバターなんだ?」
「異世界転生だからだろ・・・俺は知らん。女神とやらの仕業だよ」
「・・・は?転移だろ」
「は?」
「は?」
「じゃああの異世界行ってくる。ってのはなんだよ」
「部屋でゲームしてたら『異世界転移ゲート、成功しました。』って聞こえたからさ、ちょっと待ってーって言って、焦って紙とペンと靴を用意して紙にそう書いて机に置いた訳よ」
「ってことはお前死んでないのか?」
「え?お前死んだの?」
「黒塗りの高級車に轢かれてぽっくりと。」
「黒塗りの高級車って・・・ハハハ」
「で、この姿に」
「あのー勇者様?」
とドッツェが割って入る。
「ああ、ごめんごめん。
この人僕の元の世界での友達なんだ」
「そうだよ」
『そうだよ。』『そうだよ。』『そうだよ。』
「そうだったんですね。道理で何言ってるか分からない訳ですか」
「ドッツェはどうするの?」
「私はこの子を安全な所に連れて行こうかと・・・」
「・・・じゃあここでお別れにしようか」
「その方が良いですね、勇者様。一国の王の娘を見知らぬ人に預ける訳には行きませんからね」
「じゃあまたいつか」
「また会おう」
「はい。また・・・」
「お前はこの世界のことを何も知らないだろ?」
突然聞かれて少し驚く。
「ま、まあ」
「じゃあこの僕がこの世界についてを教えてやる」
その前に俺達はこの国から離れることにした。
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