2話 転生
続き書きました。
青い空、白い雲、360度どこをどう見渡しても空とあんなに遠くにある茶色以外は何も見えない・・・
気が付くと俺は落下していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ちょっとして地面が見えてきた。
しかも俺が落ちる所に2人の人が居た。
「ちょおぉぉっっっっっっっとぉぉぉぉぉぉ!」
その数分前、2人の神が立っていた。
「おい、魔の神****よ。神であるお前がそんなところで何をしているのだ」
もう1人の神・・・魔の神****が無言で睨みつける。
「早く答えろ。我らも暇ではないはずだ」
****が口を開く。
「貴様には関係のない話だ。聖の神✕✕✕✕」
聖の神✕✕✕✕と呼ばれた男が怒りを抑えながら答える。
「嘘をつけ、何か用が有るのだろう」
「そうだ。俺にはやる事がある。あれを忘れたとは言わせんぞ。俺はその決着をつけに来た」
****がキレ気味に言うと✕✕✕✕の堪忍袋の緒は切れた。
「何の事かさっぱり分からないが今だけはその挑発に乗ってやろう」
「当たりめェだ、乗ってくんねーとここに来た意味がない」
「私から行くぞ」
「おう、力試しと行こうか。手ェ抜くんじゃねえぞ」
「もちろんだ。その力、試してやろう」
「食いもんの恨みを舐めんなよ」
人々は恐怖する。災害にも等しきその力を。
地は揺れ動き、天をも切り裂き、荒野と成り果てたその平原に。
追い討ちをかけるように白い光と黒い光が正面からぶつかり合う。
白い弧が山を削り、黒い稲妻が地面を割り、ここからが本番だと言うようにお互い笑みを浮かべ、一層強い白と黒の光が視界を覆う。
すると辺りは焼け焦げ、一瞬で焦土と化した。
所変わって最大の王国。
書類の点検やら前王の謁見やらを終えて疲れ果てた、まだまだ王としては若い王が居た。
「父上はこんなにも疲れる仕事をしていたのか。まだまだ私も30後半、ここからが本番のようなものだ。
それにしても今日は疲れたな・・・今日はもう部屋でゆっくり休むとするか」
王宮の自室に戻ろうとした時、凄まじい力の衝突と、地揺れが起きた。
「なんだ。この揺れは!」
魔の神****が最後のMPを使って最高位の魔法を放つ。
それと同時に聖の神✕✕✕✕も最後のMPで最高位聖法を放つ。
その衝撃波は数十キロ離れた王国にも影響を与えた。その影響で数十キロをゆうに超える大きさの岩が王国に降り注ぐ。
王国の歴史は一瞬にして幕を閉じた。
一方、彼らはMPを使い果たし最後の武器は自身の拳だった。
お互い何もしなくともそのうち死ぬような甚大な傷を負っていたが既に気力だけで動いていた。そんな状態になろうと残りわずかのHPを己の手で削らんとその手の届く距離まで向かおうとする。
しかし、拳を叩き込む前に気力体力共に尽き、魔の神・聖の神共に身動きすらも取れないほど衰弱する。
一方、死んで異世界に来たはずの俺は何故か落下していた。
しかも落下地点に2人の男が倒れていた。
「人生2度目の死ィィィィィィィィィィ!!」
残りHPわずかの2人の神は、落下してきた何かを防ぐ術も無く・・・
地面に3つの死体が転がった。
・・・そうかもう死ぬのか。あの女神ぜってー許さねえ。
(称号・神殺しを習得しました。)
(スキル・並列思考永久増殖及び並列思考の可視化を習得しました。)
という声がさっきの女神の時の様に聞こえる。
すると、「決死の体当たりにより神死亡www」とか、「www」やら「もwうw死wんwだwwwww」の文字が自分の周りに現れる。
死人にうるせぇ幻覚だなー
(1分ぶりですね。こんにちは 女神です。) ニコッ
・・・は?
つまり俺はまた死んだとか言いたいのか?
「・・・おい」
(はい・・・)
女神はバツが悪そうに俯く。
「どういう事だ?」
(転生地点を誤ってしまいまして・・・あと転生特典も付けるのを忘れて・・・)
「どうしてくれんだよ?」
(次はゾンビですね、1回死んだので。女神の加護的な奴もつけるんで安心してください。)
「・・・え?・・・」
ゾンビって何だよゾンビって。
(お詫びとして、なんか欲しい能力とかあります?)
「じゃあ・・・魔力を直接操作できる能力でお願いします。
それよりゾンビって」
これが俺のイメージと同じならやりたい事がある。
(それはどういった能力ですか?)
「ちょっ・・・俺の想像通りに魔力を直接操作できる能力です。」
(あーはいはい、あれですね。パーフェクト、完全に理解しました。)
しまった。
ゾンビだったら日照耐性がよかったか。
ゾンビになったらしい。
俺は異世界に来た。
死に際のあの幻覚もあった。
日差しが気持ちいい、空気が美味しい・・・いや焦げ臭い、何があったのだろうか。
落下中に見た緑は何処に行ったのだろう。
「おお、ここがそうか。やっぱ日本とは違うな」
[そりゃあなw]←謎の幻覚[謎の幻覚ってなんだよwそんなこともわかんねえのかw]←謎の幻覚
そういや俺ってゾンビなんだろ?
日光にあたっていいの?
って言うかなんで平気なの?
「・・・」
そこら辺は女神の加護的な奴でどうに かしてるんだろう。
何となく手の平を空に見せる様に手を上から覗き込む。
「え?」
妙に肌が白い・・・いや引きこもりだった性質上白いのは当たり前なんだが、そんな類の白さじゃない。
白人とも違う白さ・・・なんか、なんて言えば良いのだろうか・・・生気がない感じだ。
・・・そう、ゾンビの様に。
それと、下を向くにあたって当然髪も垂れる。だが生憎元の俺に垂れて視界に入る程の長さの髪は無かった。
しかも、髪も白い。
いや、厳密には純粋な白じゃない。毛先に向かって緑がかっていってる。
身長は・・・多分同じか。
体が軽い。
この髪の色と生気のない肌の色・・・俺がやってたゲームの俺のキャラにとてつもなく似ている。
そしてあの幻覚がやかましい。
もし、前のゲームと同じなら・・・
「ステータスとかって見れるのか?」
ステータスっていえばいいのかな?
「ステータス!!!」
お、おう。出た。ステータス。適当に言ったのに。 しかもあの幻覚がやかましい。
これでいいのか。
いいんじゃないかな。自問自答する
そこに現れた透明の板に書いてある2つのスキルに目がいく。
[インテリジェンス]
知性up。賢者とも呼ばれる。
へーすげぇ。
[神殺し]
並列思考永久増殖及び並列思考の可視化と同期。
見えているこの文字か。
これはこの世界で生きていた(即死)頃なんかGETしたスキルだ・・・多分。でも称号って言ってたような気がする。
もう1つがすごい。
[女神の加護的な奴]
全状態異常無効化・全ステータスup・状況に応じて覚醒。
特殊能力:魔力操作
覚醒?
2つじゃ無いじゃん3つじゃん何言ってんだ俺恥ずかしい。
それはともかくそれらはユニークスキルらしい。
女神の加護的な奴ってスキル名だったんだ。
「無効化って酷くね?」
チートやチーターや
だからゾンビでも日光OKなのかな?
ゾンビの体質って異常なのか? 「そうだよ。」が大量に流れてくる。
だとしたら女神の加護的な奴ってすげぇ。
そういえば街って何処だろ。
言葉は通じるかな?
・・・数十分後
街って何処?
まず道すら無い
・・・さらに数十分後
道 。見つけた。ヤッター。
どっち行こうかな・・・右で良いか。
道を歩いていると、2人組の人を見つけた。
よし、街どこにあるか聞いてみよ。
そこに居たのは美しい美女達。
危機一髪、ピンチの彼女らを助け・・・
良し、その後まで妄想できた。
こんな小説を最後まで読んで頂きありがとうございます。