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ブランチオブ・ポテンシャル  作者: αラッブ
17/26

17話 ゴブリン討伐クエスト II

今回はいつもより長いです。

(肉体の死亡を確認。肉体を魔力・聖力・神力で再構築します。)

思考がはっきりしないが恐らく昨日ぶりのあの声だ。

あれ?さっきも聞いた気がするなぁ・・・。

「・・・ゴハッ!!」

と自分の咳で目が覚めると、身体のあちこちがヌルヌルしていて気持ち悪い。

よく見ると隣に人影がある。

「あれ?生き返った?凄いな」

喋りかけて来たのは斉藤だった。

5秒ぐらい誰だか分からんかった・・・目覚めたつもりだったがまだ眠っていた様だ。

今度こそはっきりと目覚めると隣に居る斉藤に声をかける。

「その言い方だと俺死んだ?

その割にはお互い結構落ち着いてるじゃん」

俺は死ぬとあっちの世界に戻るとか、このコメントみたいなやつが俺だったとか色々の衝撃が死んだ事より大きい様だ。

まあ、転生初日に1回死んだ事も関係するだろうけどね

「生き返ったから良いじゃん。何でかは知んないけど。」

と言いつつ斉藤は考え込んでいた。

突然、森の中からこちらに向かって発せられる声がこだました。森の中を走る音と一緒に。

「すまない!先程のスライムは我々の手違いだった。詫びをさせてくれ。

それにしても白髪の少年。よくあのスライムの捕食に耐えられたものだ。私達でもあれは苦労するよ。

それに、このゴブリン達は君達のかな?」

と、ゴブリンの死体が転がっている広場に出てきたのは軽い装備の若い金髪の男。辺りを見渡している。

「まさか。僕達はギルドで登録したのはつい最近ですから。ここまではできませんよ」

斉藤が返答する。それに対して男も答える。

「そうだったか。では尚更すまない事をした。

・・・見た所、君達のクエストはゴブリンの討伐かな?」

「そうですけど・・・」

と俺が答えると笑みを浮かべながら紙を取り出してボールペンで何かを書くと血判を押して

「良かった。では詫びとしてはなんだが、この道の先にゴブリンの集団が居る事を伝えておこう。

何かあればこれをギルドに渡すと良い。私が出る。

・・・私も仲間を待たせている。

ではさらばだ少年!! またいづれ会おう」

と言い放ち、男は名前すら告げずに元きた所へ走り去って行った。

「あ、はい。また・・・」

返事をする間もなく走り去って行き、貰った手紙を胸ポケットに仕舞った。

「なあ斉藤。さっきの人が言ってた所、行ってみるか?」

斉藤に聞くと、頷きながら

「う、うん。行ってみよう・・・やっぱり俺も半分はやるよ。

お前だけにやらせるのも心配だからな」

と教えられた方向へと歩き出した。

「まあ、そうだよな」


数分もせずに目的地へと俺と斉藤の2人は辿り着いた。そこに10体程度、屯しているゴブリンを発見した。

奇襲をかけると言われていたのでバレないように地面に伏していた。

「あれか・・・」

と呟くと、そのゴブリン全てがこちらを振り向いてこちらに向かってきた。

あれ?俺のせい?

「馬ッ鹿...!!」

と斉藤が言い、刀を抜いてゴブリンの中へと向かっていく。

「蛍!!お前が5体やれ!!後で話があるから死ぬなよ!!」

と奥の5体へと走っていく。手前の5体は斉藤には目もくれず、俺の方へと走ってくる。って、あれ?全部こっちに向かって来てないか!?

「嘘だろ?・・・しょうがないか・・・」

今は偶然刀を手に入れた。握り心地も悪くない。じゃあ、一か八かだ。仮想空間で鍛えた刀捌きを再現出来れば・・・俺だってそれなりに戦える筈だ。敵は最悪10体。ゲームだってそんな事はやって無いが、やるしか無い。

まずはゲームで散々使ってきた"居合切り"を試す為、構える。

「やっぱゲームと現実じゃ感覚が全然違ぇわ」

1番近くのゴブリンが目測だが居合の圏内に入って来た。ゲームでの動きを出来るだけ再現する。感覚的には刀から鞘を抜くイメージらしい。流れるように次は一息の内に剣先で弧を描きながらゴブリンの首に刃を振るう。


「出来た・・・」


休む間もなく次。敵は棍棒を高く振り上げる。刀は刃こぼれしやすい剣らしいので大振りの棍棒は避ける。

・・・が、敵に集中するあまり、小さい段差につまずいてしまった。勢い余って一回転する。

『魔法は? 』『魔法は撃たんの? 』『魔法は? 』

そうだった。魔法が使えるんだった。女神に貰った魔力操作もあるんだった!!

「ファイアーボール!!」

仰向けに倒れながら1番いい声で言うが

『ファイアーボール!! 』『ファイアーボール!! 』『ファイアーボール!! 』

昨日のように刀身が赤く光ったりしない。

「何で!?」

あの時のように刀を振ってみせるが、何も出ない。

「何故!?」

棍棒が振り下ろされるが、間一髪で避ける。素早く立ち上がりながら心臓を一突きする。

「危なかった」

と安堵し、刀を抜こうとするも抜けない。

「あれ?抜けない・・・」

抜こうとしてるうちにもう1体が、今死んだゴブリンの左側から棍棒を大きく振りかぶって襲いかかってくるが、咄嗟に刀が刺さってるゴブリンの右脇腹を全力で蹴り、そのゴブリンの邪魔をする。刀が抜けない以上、今殺したゴブリンが持ってた棍棒を使うしか無いが、生憎それは地面に落ちてしまった為、拾っている最中に攻撃される危険がある。

「素手でやるか・・・」

刀から手を離し、相手の棍棒を持つ手を掴んで全力で腹を蹴る。動きが鈍った隙に棍棒を拾い、全力で頭をぶっ飛ばす。死にはしたが、それは意外とグロく、頭があらぬ方向へと曲がっていた。

「グッロ。まあ、でも死んだかな」

昨日と比べて自分でも驚く程に冷めた言葉を自分は言っていた。

「うわっ、サイコかよ」

『うわっ、サイコかよ 』『うわっ、サイコかよ 』『うわっ、サイコかよ 』

残りは1匹。そのゴブリンは怯えきって震えていた。

刀が刺さっている死体から刀を抜くと、

「あれ?あっさり抜けた」

そのゴブリン目掛けて一突きした。

残りの5匹も斉藤がやってくれた様だ。

討伐が完了したのでゴブリンをどう持っていくか考えていると、斉藤がさらっと

「マジック、空間収納」

と言い、討伐したゴブリンを全て吸い取る。

「・・・は?斉藤お前俺TUEEEE系主人公みたいな事しやがって・・・すげぇな。

まあ、さっきギルドで俺も似たような事したけどさ・・・」

「・・・ああ、まあね。でも便利じゃん」

後に残ったのは血だけだった。

「そうだな。

それにしても殺人現場みたいになったな、ここ」

「そうだね・・・。じゃあ帰るか」

殺人現場・・・いや、元ゴブリンの巣?を後にする。


森を出た。歩く以外に交通手段は見当たらないので、行きと同じく2人で歩いて帰る。

門を通って冒険者ギルドに到着した。

相変わらず暑苦しい酒場の様な場所を超え、受付に着き、受付のお姉さんに

「クエスト素材の鑑定と報酬をお願いしたいんですけど・・・」

と言いうと、

「こちらにお越し下さい」

と言われて、静かな個室へと連れられた。

「さて、まずは素材の鑑定から始めさせていただきます。

・・・でも素材はどちらに・・・」

お馴染みの展開来たか?と思わされるセリフに反応し、斉藤がおもむろに

「マジック、空間収納。ゴブリンの死体を10体を引き出し」

というと、斉藤の目の前の何もない空間に"穴"が空き、そこからさっきの死体がドサッと溢れ出てきた。

その光景に俺も斉藤も

「うわっ、思ったよりキモっ」

という感想を抱いた。



「では、鑑定と報酬の受け渡しを行いますので、少しここでお待ち下さい。」

とお姉さんが部屋から出ていき、1分後位に戻ってきたお姉さんから金を受け取り、昨日借りた宿に帰った。

ここまで読んで下さってありがとうございます!

次回もお楽しみに!!

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