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ブランチオブ・ポテンシャル  作者: αラッブ
16/26

16話 気付き

 目が覚めると、

 "マインド・ゲイブ"

 慣れ親しんだ洞窟の世界に居た。

『(あれ?ゴブリンに・・・じゃなくてでっかいスライムに殺された気がするんだけど・・・) 』

 と考えては居たが、目の前の状況が気になって仕方が無い・・・

『俺ガイル!? 』

 あまりに驚き過ぎてもうひとつの驚くべき事態に気づかなかった。

 "俺"は「ふう・・・良かった」と、安心からか、ため息をついて西へ歩き出している。

 "俺"と俺は空中に浮かぶ文字を見つけて、

「!?」『!? 』

 と声にならない驚きの声を上げながら、もうひとつの"記憶"を思い出して、

「えぇーっと・・・なんだっけか・・・、

 あ、神殺し!そう、並列思考永久増殖及び並列思考の可視化と同期だったか?・・・なるほど?」

 俺は俺の存在をひとまずは理解した様だが、何故俺がこの世界に居るのか分かっていない様だった。

『まあ、俺も分かってないけどな? 』

 声に出したつもりだったが、あの異世界の方の俺が見ていた文字になった様だ。

『はぇー、あの文字は俺だったのか・・・ 』

 と、この状況をよくよく考えてみる。

 こっちの身体に魂が、魂とよんでも良いのだろうか。

 まあいいや。

 こっちの身体に魂が2つ、あっちの身体に6つ、・・・いや俺がこっちに来たから5つ。今の所は。

 俺があっちで聞いた話を思い出し、こっちでは1日経って昼だが、あっちはまだ日本で言えば見た感じ午前7時位だろうか。

 その時差で言えば多分日本からヨーロッパのどこか位の時差だろう。

 多分。

 地球義にピンを指すイメージで想像する。

 そう考えると"俺"はヨーロッパら辺にいるのかもしれ・・・そうだった。

 あっちは異世界だ地形が同じハズはないか。

 まあ、あの世界が球体だったらそこら辺なんだろう。

 それは関係無いとして。

 このまま行くと、あっちの体は魂で一杯になるのではないだろうか。

 その瞬間嫌な想像が頭をよぎる。

『まさか魂増えすぎて頭破裂とかしないよな? 』

 ゆっくり歩いていた"俺"がピクっと反応した。

「もしかしてあれはあれで邪魔だったのにあれが増えつずける?

 前が見えなくなるぞ?

 頭破裂とか笑えないからね?」

 それが今考えられるあっちの俺の弱点の1つか。体力が貧弱で前が見づらい・・・それ以外は恐らく平均以上かな?

 いや、転生してきた時に運が良すぎた気がするが、それが心配だな。

 なんか偶然ドラゴンの死体から強いらしい武器を手に入れたり、斉藤に出会ったり。

 こうも偶然が立て続けに起こるとちょっと心配になってくるな

 と"俺"をどこからか眺めながら思った。

 すると、"俺"は突然岩陰に隠れなて腰に差した刀に手を添えた。

 居合斬りの構えだ。

『?』

 あの文字が現れる。

 "俺"が小声で呟いた。

「この岩の奥の小道、青の短髪、灰色の上下の男。

 見えるか?

 ここからじゃ武器が見えない」

 そう言われてその岩の上から覗く。

 俺には体が無い為"俺"の体に入っているのだと思っていたが、よくよく考えてみると俺は"俺"を見ていた。

 そう考えると乗り移っているのでは無く、ホラー番組みたく背後霊的な存在なのかもしれない。

 まあそこら辺もいずれ異世界(あっち)の俺に調べて貰うとして、とにかく岩の上から覗いた。

 灰色の上下の短い青髪の男は確かにいた。

 ただ奥の小道ではなく、そこから数歩進んだ所にその男がいる。

『ゆっくり来てる。約12メートル先。武器は短剣 』

 目測でその位だった。

 "俺"は心の中で数え始める。

「(8・・・7・・・6・・・)」

『あと5メートル 』

 刀を握る手に力を入れる。

「(5・・・4・・・3・・・2・・・1)」

 剣技スキルの抜刀。

 その動きを一定数繰り返し練習する事でスキルとして発現するこのゲームの最高レベル取得難易度の刀専用スキル。

 正式名称は抜刀だが、俺はつい居合斬りと呼んでしまう。

 暗い洞窟の中で光り輝く光の渦。

「よっしゃ。2キル目」

 と言い放ち走り去る。

ここまでご覧いただきありがとうございます。

次回もお楽しみに

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