~彼女との最悪な再会~
こんばんは~
今日は何故かテンションの高い夜鳥 澪です。
今回の物語は、勇者が可哀そう(?)ですw
最後までお付き合いください。
魔王に呼び出された俺は、”飛んで火にいる夏の虫”が如く、彼女を救いにランク90のここ西の塔にやってきたのだが……あろうことか誰もいないではないか!?
……いや、ただ単に気配を消しているのかもしれない。相手は魔王だ。しかも、僕は今一人でここにきている。非常にまずい!いやいやいや……ね?……もしかしたら彼女だけがここにいるという可能性だっておおいに有るわけだが。敵がたくさんいるという可能性だって捨てきれないわけで……。
≪勇者の脳ミソはオーバーヒートした。≫
う~ん…。え~っと…。……………………………。
≪勇者は考えることを放棄した。≫
よし!とりあえず上がってみよう!
僕はとにかく、この塔のどこにいるのかわからない彼女を探し出して一刻も早く撤退しよう!
この時は気づきもしなかった。まさかまさかの彼女が魔王で僕を憎んでいてしかも、この塔を……………。
塔の約3分の2あがったところで宝箱を発見し、中身を回収した。
≪勇者はHP50%まで復活できる薬を手に入れた!≫
「復活の薬か。いらないな。僕は強いし!」
僕はその薬を捨てた。ポイ捨てだ。
≪勇者はHP50%まで復活できる薬を捨てた。≫
その後は何もなく最上階の角部屋を調べるだけとなった。
”ここに彼女がいるかもしれない!”
期待を膨らませ固く閉ざされた戸を開け、中へと進んだ。そこには彼女がいた“以前と変わらない姿“で。
「愛しの君!助けに来たよ!何処にも怪我はないかい?」
すると彼女はこういった。
「勇者様!王都は今平和ですか?安全ですか?民は苦しんでいませんか?」
彼女の瞳が……純粋な視線が突き刺さる。
≪勇者は巫女の純粋な視線ダメージによりHP150ダメージを受けた。残りHP4850。≫
「あ…ああ。心配することはないぞ。」
彼女の問いに噓をついてしまった。僕は王都のことを何もせずに彼女を探していたのだから。安全なわけがない。
≪勇者は精神的なダメージによりHP1500失った。残りHP3350。≫
「噓だ。勇者様。私悲しいです。民は苦しんでいるのに貴方は何もしてやれてないこと知ってるんですからね!」
彼女は僕に涙目で訴える。ヤバイ彼女に嘘がばれた。
≪勇者は巫女の涙目によりHP2000失った。残りHP1350。≫
「大丈夫だよ。君がいれば僕にできないことはないからね!」
彼女に見栄を張る。そんなことをしていると彼女が爆弾発言をした。
「は?民を守らず苦しめてるやつが何言ってんだ?」
「え?」
僕のとっくに停止した脳ミソでは理解不能だった。
彼女の容姿が一瞬にして変わったのだ。頭に角が生え、耳は悪魔のように鋭利なものとなり、爪は黒くなり、服が魔王のものになっていた。
「私、言ってなかったけど前魔王の娘であって、現在の魔王シェリア。びっくりしたでしょ?」
……僕の彼女は……魔王でした。
そして、初めて彼女の名前を知りました。
———おお!神よ!僕に試練などいらないのです!
≪勇者はシェリアの告白によって全HPを失った。そして、勇者は力尽きた。≫
最後まで読んで頂きありがとうございました!
勇者は……薬を捨てたのが運のつきですねw
彼女の名前がやっと明らかになりましたねw
この作品以外にも連載中の作品が二作品ありますので良ければ読んで頂けると幸いです。
ちなみに短編小説もあります。
次回もお楽しみに~ww