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噂を聞いた冒険者の話-1

リオネという都市から馬車で15分のところにある森。鬱蒼と生い茂り、一般人が一度入ったら出口がわからなくなるようなところ。そこをずーっとまっすぐ突き抜けていく。魔物にも、横に抜けそうな小道にも惑わされないで、ずーっとまっすぐ。葉に隠されて暗い道。すると、やっと光が見える。広場に一軒のログハウス。

それが、私が経営する『ヴィーデ食堂』だ。


私は『ライカ・ヴィーデ』。21歳になります。5歳のときに両親が亡くなり、それから引き取られた『師匠』の元で料理ざんまい。師匠はとっても優しかったけれど、料理については口うるさかった。そんな師匠を継いで、この食堂をもらって、開いている。

ここにくるお客様は様々だ。冒険者、道に迷った冒険者、廃れた貴族、いい貴族…悪い人はめったに来ません。来たとしても、常連さんが追い返してくれるので安心なんです。魔物はどういうわけか近寄ってこないんですけど、師匠が出て行ったときに石をくれました。それは結界石、というものだとお客さんに教えてもらいました。ね?師匠は優しいんです!


「ライカちゃ〜ん!ビールもう一杯!」

「もう、飲み過ぎじゃないんですか?次で最後ですよ」

「大丈夫だって、このあとまたクエストで魔物狩りあるからさぁ〜!」

「何が大丈夫なんでしょう…」


こちらは大酒豪で酔っぱらいの『カンジ』さん。髭は少しもじゃもじゃで、確か40歳過ぎだって聞いたことがあります。鎧の兜に防具…武器は斧。種族はドワーフで、立派なベテラン冒険者さんです。ちょっとおちゃらけていて、よく私をからかってきます。けど、一度変な冒険者さんに絡まれていたところを助けてもらったことがあります。それからはよくこのお店に遊びにきて、食べて行ってくれます。とっても優しい人です。

冒険者さんは主に街の外にいる魔物を倒して、お金をもらっています。クエストカウンターと呼ばれるところで依頼を請け負うことができ、魔物討伐以外には素材集めなんかもしています。私も、週に一度、食材集めの依頼をクエストカウンターに登録してお金を払っています。また、ダンジョン、と呼ばれる迷宮があり、そこへ魔物を狩りにいったりもします。ダンジョンはどうやら魔界につながっているようで、とってもこわ〜いところだとか!まあ、カンジさんの言うことだから信用できませんけど…。食堂がある森の近くにも入り口があるそうで、よくそこから帰ってくる冒険者さんたちもここに来たりします。


―カランカラン…。


この音が入店の合図。


「いらっしゃいませ!ヴィーデ食堂へようこそ!」


そうそう、私の楽しみは、そんな冒険者さんたちの為にお料理を作ることはもちろん、


「こ、ここが幻のヴィーデ食堂か…!?」

「ま、まさか本当にあるとは…!!」

「金髪の綺麗なエルフのチャンネーがいるってマジか!?」

「は、腹減って死ぬかと思った〜!!」

「なんか食おうぜ!」


冒険者さんたちのお話を聞くことが、とっても楽しみなんです!

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