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3.準備を整えよう。


「母様、行ってきます!」

「はいはい、無理はしないんですよ。」


しょうがなさそうに俺を見ている30歳を少し越えたばかりの【ルーシア】。

そんな今生の俺の母親は、やや奔放な俺に対しても大らかに接してくれた。

家を無理に継がなくても良い、と言い切ってくれたりしたのも彼女だったりする。

甘えきっているというのはまあ分かる。

だが俺にだって目標はあるんだ。 将来親孝行して返そうと思う。


(さぁて、と……。)


本来のゲームの開始年齢は15歳。

成人になる(この世界は15歳で成人扱いだ)と同時に養成学校の門は開かれ、上限は20歳まで。

卒業自体は指定された数の単位を取った後、半年に一回入学と卒業が行われる形だ。

つまり、今から約5年間は猶予があるということになる。

この期間を無駄にするわけには行かない。

何しろ、養成学校の入学条件は【一定ランク以上の魔物を討伐した証拠を見せる】という簡単なものではあるけれど。

その後の卒業までの単位取得は相当に面倒くさかったりキツかったりするのだから。

まあ、慣れれば一切才能がないモノ以外は単位を取れたりするのだが。

(筆記と実技が複合しているものがそこそこあったはずなので、あくまで可程度でだが)


見識、現在状態(オープン:ステータス)


今日の目的地まで着いた、がまだ相手が来ない。

念の為に、後は暇潰しを兼ねて今の俺の《ステータス》を確認しておく。

まあ見ずとも大体は把握してるが、数値が変わっていたりしないかの把握用だ。

自分のステータスを見る為だけの魔法、これは【教会】の秘蹟(サクラメント)を受けた相手なら誰でも出来るものだし。


【名前】ヴァリス=ローランド

【性別】男

【年齢】10

《能力》

【STR】8

【DEX】11

【SPD】11

【CON】9

【POW】10

【LUC】9

《スキル》

【ポイズンマスタリー:Lv1】

【調合:Lv1】


(将来的に【STR】は最低限確保しないとキツイんだよなー……。)


一般人の平均値が10。

故に9~12程度の誤差は普通にあるわけだから、極めて平たく振られたようなステータス。

キャラクター作成時に決められる才能をどれだけ、どんな形で割り振るか。

それによっても取得する、取得した方がいい単位というのは変わってくるわけで。

その中でも、幾つかほぼ必須と言われる【スキル】を取得するための必要能力値というものはある程度把握されていた。

俺の場合は現実になるわけだから、割り振りは出来ない分今から努力しろ、ということなのだろう。


(特に、【ポイズンマスタリー】との相性も考えないと。)


《スキル》の中に輝くポイズンマスタリー。

これはかなり特殊なモノで、ゲーム時には特定の条件を満たさないと味方にならない男が持っていたものだった。

《義賊王》フェイロゥ。

常に民の為の選択をし、能力を犠牲にしてでも進んだ先で仲間になる中年に差し掛かった気のいい男。

それ以外では基本的に敵に回るため、仲間になることを知らないプレイヤーも一定数はいたりする。

まあ、攻略サイトでもその情報が出回るのがかなり後だった、という時点で察せられるとは思う。

その男が持つスキルの能力と、出来ることを兼ね合わせていくと……。


(やっぱこうなるかなぁ……魔導師(ウィザード)でも近くにいればよかったんだけど。)


今の持ち物は、といえば。

こっそり作っていた編み縄と、幾つかの石。

ねだって買って貰った、鉄製の短剣。

念の為の【低級治療薬】マイナー・ヒーリングポーション

後は絶対に欲しい武器があるんだけど、それは街の中だけでは難しい。

より正確に言えば、遊びだと思われて誰も教えてくれないし売ってもくれないのだ。

故に、その武器と《スキル》の取得を目指してすることと言えば。


「ヴァリスー!」

「遅いって、セレス。」


仲の良い幼馴染(残念ながら男だ)と一緒に、簡単な魔物討伐だ。

《能力》

【STR】:筋力、重いものをどれだけ持てるかの指標

【DEX】:器用さ、相手の急所を狙う技量の指標

【SPD】:速度、身軽さを表す指標

【CON】:耐久力、毒や病気、暑さ寒さに対する抵抗力の指標

【POW】:魔力、魔法を扱う才能の指標

【LUC】:幸運、バッドステータスに関する抵抗などの指標

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