4.告白と別れ
少し長くなってしまいましたが心暖かく呼んでくれると嬉しいです。
前回、クマスケが僕の友達、大輝の恋愛相談相手になるって。
〔座り込んで話し合い〕
「お、お前、俺の相談相手になってくれるのかよ。」
『うん。その好きな子って七子ちゃんっていうの?』
「うん。そうだよ、クマスケ。」
「おう、七子だ。」
『かわいい名前だね。』
「おう、そうだ。あいつは..かわいい..」(*ノωノ)
『そんなにすきなんだぁ。七子ちゃんのこと。』
「っおう!」
大輝はさっきから顔を赤くして、クマスケと話している。
「なぁ、大輝。」
「んぁ?」
「大輝はどういう風に告白するつもりなの?」
「...えっと、俺は...。す、好きだ。..って..言いたいんだけど..。」
「うん。」
「なんて言えばいいか..正直よくわかんねぇんだ」
「うん。だって、クマスケ。」
僕がクマスケに振ると、しわを寄せて怖い顔をして言った。
『あまーーーーい!!』
「っえ。」
大輝は引いていた。
「あ、あまい..?」
『うん。あまい!大輝君は甘すぎる!そんなんで今どきの女の子の気持ちにOKしてもらえるとでも思ってるの?』
「えっ。違うの..?」
『子供だなぁー。大輝君は。今どきの子が「すきです」って言って宜しくお願いしますつて素直に言うと思ってるの?』
「そ、それはないと思うよ。で、でもさ、今どきの女の子のことなんてなんでお前にわかるんだよっ!」
『それは、俺にだってわかんないよ。でも、大輝君にもうちょっとカッコいい告白をしたほうがいいって教えてあげたくて。』
すると、クマスケは泣き始めた。
「な、泣くな!クマスケ!それじゃ、僕と同じじゃないか!」
「泣くなよー!..ごめんってー!泣かないでー!お願いしますー!!」
大輝はそう言っていた。
大輝がそんなんこと言うなんて..初めて見た。
大輝は、クマスケを抱いてあやかしていた。
「泣かないでーー。俺が悪かったから。」
『うぅー。わかったよー。』
クマスケは少しずつ泣き止んできた。
〔涙を拭いて〕
「さて、お前に頼るしかないんだな。クマスケ。」
『任せて!尚と一緒に頑張る!』
「えっ、僕も?!」
『うん!そうだよ。』
「...。」
『大丈夫!僕がほとんど言うから、尚は助っ人ってことでね。』
「それなら分かった。」
『うん。さて、本題に入るよ。まず、今一番女子の中で告白されたいセリフを発表します!』
「えっ、そんなんあるの?!」
「ほら、俺らにもあるだろ?どの女の子からカッコいいって言われたいかっての。」
『大輝君!そんなんとは全然違うんだよ。』
「あ、そうなのか。わりぃ。」
『ううん!謝ることないよ。』
「おう、ありがとう。」
『じゃあ、発表するね!まず三位は』
「うん。」
『俺の彼女になって』
「ほ、ほほう。」
「ちょっときゅんとくる。」
『それから第二位!』
「うん。」
『いい加減、俺が好きって気づけよ』
「あ、いいかも。」
「これもいい。」
『はいっ!そして第一位!』
「うん。」
『おれ、○○のことが好き。』
「シンプルやな。」
「うんうん。いいね。」
『まぁ、こんな感じかな。』
「うん。でもさぁ、お前、シンプルだめって言っただろ?」
『うん。言ったよ。でも、やっぱりシンプルよりちょっとアレンジしたほうが七子ちゃんには良いと思って。』
「お前、七子のことなんも知らねぇのになんでそんなこと言えるんだよ。」
『えっ。あ、だって昨日の夜に尚から七子ちゃんのこといろいろ聞いたし。』
「あ、そう。なのか。」
「そうなんだ。でもなんで七子にはそういう風なアレンジしたほうがいい告白のほうがいいの?」
『だって七子ちゃんって気の強い子でしょ?』
「まあ、それはそうだな。いつもおれにいろいろ言ってくるし。」
『そうなんだね。じゃあ、何にする?』
「告白のやつ?」
『うん。そうする?大輝君。』
僕が大輝を見るとほっぺを赤くしながら悩んでいる大輝がいた。
「大輝?」
「お、おう。じゃあ、一位のやつ。」
『おれ、○○のことが好き。ってやつ?』
「うん。良いんじゃない?」
「そう、それだ。じゃ、一回言ってみるな。」
『うん!頑張って!』
すると、大輝は立ち上がり、一度大きな深呼吸をして言った。
「おれ..七子の..こと..が..好き..だ!」
『もっと!もっと、力入れて!優しく。』
「お、おう。」
大輝はもう一度やる。
「おれ、七子のこと..が好きだ!」
『もうちょっとだよ!頑張って!』
「落ち着いて!」
あともうちょっと、もうちょっとでうまくいく。
「よし。..おれ、七子のことが好きだーー!!」
『いいよ!大輝君!良いよ!!良い感じだよ!!』
「大輝!本番、頑張れ!」
「おう!ありがとう!クマスケ、尚!」
「うん。」『オッケー!』
「あと、尚。今までいじってごめん。いじめてごめん。」
「うん。わかった。その代わり、これからも仲良くしてほしい。」
「尚..。お前って良いやつだな。」
『仲直り♡できたね。』
※ココまでクマスケの話し声を『』で表しましたが、ココから普通に「」で表します。ややこしくてすみません。
〔それから三日。〕
今日は、金曜日。
「おはよう。尚。」
「おはよう。クマスケ。」
「決めたの?引っ越しのこと。」
「うん。決めた。」
〔学校で〕
「えぇー、このたび神谷尚君が隣町の楢上市に引っ越すことになりました。」
先生が言った。
「えぇー、なんで??」
クラスのみんなが言う。
「今月中にはこっちにいるのでそれまで宜しくお願いします。」
僕が下を向きながら言う。
僕は静かに自分の席に戻った。
「ちょっと!尚。」
七子が話しかけてきた。
「ん?」
「引っ越すって..。何にも聞いてないんだけど?あたし。」
「あ、ごめんね。心配かけたくなくて黙っていようと思ってんだけど、母さんがさ。」
「ん、もう。幼馴染なんだから、一言くらい言ってよ。」
「ごめん。」
〔帰り道〕
今は、七子と下校。
「今日、あたし尚んち寄ってくから。お母さんにも頼まれてるし。」
「いいよ。今日は一人で大丈夫。」
「えっ、でも。」
「大丈夫だって。」
「尚っ!あたしはあんたを心配してっ。」
僕は、もう心の底からなんだか泣きたくて。なんか、走っちゃって、もう、なんか..。
僕って、ずるいよね。
〔帰宅〕
ガチャ。ガチャン。
「うぅー。」
僕はまた泣いた。あの時みたいに、あの4日前みたいに。
「尚。」
「っクマスケ。」
僕はバックからクマスケをだしてぎゅーって抱いた。
もう、もう、涙が止まらない。もう、なんか..。
〔2日後〕
土曜日は目が腫れながら準備をするため、ずっと部屋の中にいた。
そして今日、日曜日。今月の終わりの日。そして、大輝の告白の日。
今日、この家から出る。
「こんなに広かったのね。」
母さんがつぶやく。
「ほんとだね。」
僕がつぶやく。
「じゃあ、車に乗って。」
「う、うん。」
僕は車に乗る。
〔出発から三分〕
僕はクマスケを膝にのせながら車に揺られていた。
「..尚。..尚!外みて!」
「なに。」
「いいから!外みて!」
僕は言われるがままに、窓の外を見た。
「あっ。」
急いで窓を開く。
「尚っ!」
僕の目の前には、手をつないだ七子と大輝がいた。
「尚!ありがとう!」
「尚っ。今までありがとう。あ、あと、大輝も。」
「二人とも..。おめでとう。」
「ありがとう!あ、あとクマスケもな。」
「あ!それがクマスケね!かわいい!」
「うん。ありがとう。」
「お母さん、お元気で!」
七子が母さんに向けて言った。
「う、うん。今までありがとう。」
母さんが泣きながら笑って言う。
「それじゃあ。」
「あ、まって!」
「これ。」
二人がくれたのは、びっしりメッセージが書いてある一枚の色紙だった。
「これ..。」
「うん。これ、クラスのみんなと書いたの。じっくりと読んでね。」
「うん。あ、ありがとう。」
「あ、あとおれ、こいつと絶対遊びに行くからな!」
「うん!絶対行く。」
「うん!待ってるね!!」
「ありがとう二人とも。じゃあ、もう行くわね。」
「はい。こちらこそありがとうございました!」
すると、窓は締まり、車は再び走り出した。
僕は車の後ろの窓から二人を見た。
二人はこっちを見てずっと手を振っていた。
僕もそれにこたえるように手を振る。
バイバイ!二人とも!また会える日を楽しみにしてるよ!
今までありがとう!絶対遊びに来るから!!絶対!!
「尚。絶対、遊びに来ようね。」
「うん。クマスケも一緒にね!」
「うん!俺もつれてって!」
「尚。ちゃんと座って。」
「はーい。」
僕は、涙を拭きながらきちんと座った。
おわり(⌒∇⌒)
お読みいただきありがとうございました。
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