ある少女の詩
せんせいはいいました。
「この世界にいる人は みんな 自ら望んで生まれてきたのだよ
とっても物知りな神様があるべき道を見せてくれるんだ
神聖で邪悪な鏡の中に みんなの世界を映し出して
それで神様は尋ねるんだよ
『これがあなたの人生です。それでもこのまま生まれますか。
全てを受け入れる勇気がありますか』
その時勇気を誓った人が 今この世界にいるんだよ」
そんなの しらない とおもいました。
こんなに まいにち つらいのに。
それをしりながらうけいれるなんて
そんなの まちがってる とおもいました。
せんせいはつづけます。
「知らないのではなく 忘れてしまったのさ。
先に待ち構えている辛いことを
覚えて生きるのは耐え難いから」
そんなの おかしい とおもいました。
わすれてしまわねばならないほど
つらい みらい をもとめるなんて
そんなの ばかげている とおもいました。
せんせいはそれでも言いました。
「馬鹿だと知っても受け入れる
それだけの理由があるのだよ。
どんなに辛い未来でも
やらねばならないことがある。
皆 その為に生まれてくるのさ
やりとげなければならない 何かのために」
そんなの うそ だとおもいました。
やりとげなければならないなにかなんて
わたしには かんがえもつきません。
こんなに まいにち なきたくて
きえてしまいたい とおもっているのに。
そのよる わたしはゆめをみました
おおきな かみさま がたっていて
すてきでいやらしいかがみ をみせてくれました
めをそむけたくなるそのなかに
わたしは あのひと をみつけました
かみさまは わたしに たずねました
『これがあなたの人生です。それでもこのまま生まれますか。
全てを受け入れる勇気がありますか』
わたしは まよわず こう いいました
わたしは あのひと をたすけたい
いつも えがお をたやさぬように
そのためなら わたしは―
せんせいが言いました。
「この世界にいる人は みな 自ら望んで生まれてきたのだよ」
私はやっぱり叫びます。
そんなのは嘘だから
早くここから消え去りたいと