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イタズラ(二)
玲香に借りた鍵を使って、中に入る。そっと覗けば、羽毛布団が膨らんでいる。二人ともぐっすり寝ているみたい。
空良と頷き合って、こっそりと中に入った。
玲香達は水鉄砲を持っていったみたいだけど、わたし達はおもちゃのピストルを持った。音だけが出る、運動会でよく使うあれ。
耳に近づけ過ぎると危ないから、腕をのばす。
と、いきなり空良が小声で、
「蕾架は椅子に乗って!」
…確かに、確かに身長低いけど、百五十センチないけどさ。まあ、口には出さないけど。
ベッド脇にある机の椅子の上で正座して腕をのばす。
小声の合図で、同時に鳴らす。
「 うあ?」
「うおお!?」
衣愛姉は流石の落ち着きぶり。光彦は良いリアクション。
「…大成功」
「おはようございまーす」
きっと向こうも今頃終わったはず。楽しかった。お腹すいたな、朝ごはんはなんだろう。