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第九話:悪魔の罠

「えっ!もしかして、あの時の?」

私が驚いて叫ぶと

「やっと思い出したのかよ」

と言われ、えへへっと額を人差し指でかく。

「俺、ちゃんと名前を名乗ったよな?」

「え?……うん」

「なんで覚えて無いんだよ!」

腹立たしそうに言われて

「私、人の名前と顔を覚えられなくて」

と言って笑って誤魔化すと

「……まさか、もう俺の名前を忘れてなんて……」

そう言われて

「えへへ、何でしたっけ?」

と答えた。

「遼!深見遼だ!次に忘れたら、ただじゃ済まないからな!」

イケメンの睨みはめちゃくちゃ怖い。

睨まれて名乗られたら、一生忘れませんよ!

「ふ……深見先輩ですね。覚えました、覚えました」

小さくなって呟くと

「……遼」

「はい?」

「深見先輩はやめろ!遼と呼べ!」

「えぇ!2度目とはいえ、そんな……」

「はぁ?」

2度目の睨みに、再び小さくなる。

「分かりました」

ぽつりと呟くと

「じゃあ、うちの学校に来てくれるよな?」

微笑んで言われて

「あ!その時の貸しを返すとかなら、大丈夫ですよ!必要ないんで。第一、返礼がデカすぎる」

プルプルしながら答えると

「うちの学校にさ……」

と、突然話し出し

「時価数億円のブルーダイヤが飾られてるんだ。あの時の男、それを盗んでたんだわ」

そう言うと、恐らく一般の女子が見たら失神するような微笑みを浮かべて

「その犯人を、美夜が見つけてくれたんだな~。それでさ、うちの学校には金になる物や人材がた~くさん居るんだよね」

と続ける。

「は……はぁ……」

「確かに警備員も居るし、俺達、生徒会も気を付けてはいる。そんな所に、危険予知能力がある人材が居たら、助かると思わないか?」

にっこり微笑まれ

「あはははは……。そんな……名探偵コ○ンみたいな人、居たら良いですね~」

笑って誤魔化した私に、ジリジリと近付き

「もう、分かるよね」

「何がでしょう?」

「この話を聞いたら最後、美夜はもう逃げられないって話だよ」

それはそれは美しい笑みを浮かべ、悪魔のような男、深見遼の策にハマった私は、見事、開進大学附属高等学校に転入が決まってしまったのだった。

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