第七話:見えない傷
「……や?……美夜?」
ぼんやり思い出していると、突然、目の前にキラキライケメンのドアップが!
「ぎ……ぎゃあ~!」
叫んで後ろに逃げた拍子に、頭を壁にしこたまぶつけてしまう。
星が……視界に星が飛んだ。
頭を抱えて蹲ると
「大丈夫? 凄い音が鳴ったけど……」
頭の上から聞こえる声と、伸ばされる手の気配。
「触らないで!」
反射的に叫んでしまった。
拒否される事に慣れていないのであろうイケメンが、手をビクリと震わせて動きを止めた。
「お願いだから、半径一メートル以上近付かないで」
蹲ったまま呟くと、しばらく無言になってから大きな溜め息を吐いて、移動する足音が聞こえた。
私がゆっくりと顔を上げると、傷付いた顔をしたイケメンが私を見ていた。
「俺……そんなに嫌われる事、したかな?」
ぽつりと言われて、今度は私が溜め息を吐いた。
「私……男の人が苦手なんです」
ぽつりと呟くと、彼が目を見開いた。
「慣れれば……大丈夫ですけど。知らない男の人とか、本当に無理で……。だから、別に貴方が悪い訳ではないです」
俯いて呟くと
「いつから?前は、違ってたよね?」
そう聞かれて、私が苦笑いしながら
「2年前……ですかね?だから私、女子校にしたんです。こんな私が共学に転校とか……、考えられないんです」
と答えた。
すると彼は口許を手で覆うと、少し考え込んでしまった。
「あの……だから、無かった事に」
「美夜じゃなきゃ、ダメなんだ!」
私の声を、イケメンが遮る。
そして私を真っ直ぐに見つめて
「美夜の事は、俺が全力で守る。だから、信じてついて来て欲しい」
まるで少女漫画のヒロインが言われるような台詞を、目の前の超絶イケメンが言い出した。
私が唖然としてると
「美夜は忘れてるかもしれないけど、俺達は3年前に出会ってるんだ。うちの学校の文化祭で……」
そう言われて、記憶の糸を手繰り寄せる。




