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第一話:運命の輪
それは、夏休み前の試験休み中の出来事だった。
突然、学校に呼び出された私は──
「えぇっ!転校!」
と、校長室で叫んでいた。
私の通う桂蘭学園女子高等学校は、期末試験が終わると教師の採点期間に入り、試験休みになる。
赤点がなければ呼び出しもない。
部活も停止。校内立ち入り禁止。
公立高校だと球技大会になるらしい。
「私立高校最高ーっ!」
同じ中学の子たちに羨ましがられながら、
私は初めての試験休みを満喫していた。
のんびり過ごしていた私に、
「お姉ちゃん、学校から電話!」
と、一階のリビングから母親が叫んだ。
はあ?
学校から?
しかも家電に?
赤点通知も学校からの連絡も、基本は母親のスマホだ。
家電にかかってくるなんて、よほどの事だ。
ベッドから飛び起きて受話器を取る。
「江波さん?緊急事態です。大至急、学校に来て下さい」
担任の岡崎先生の声だった。
それだけ言って電話は切れた。
え?
何?
何があったの?
制服に着替えながら母親の問いに答える。
「ごめん!詳しく分からないけど、呼び出されたから行ってくる!」
自転車に飛び乗り、駅まで走る。
この時の私は、まだ知らなかった。
これが、私の人生を変える一歩目になるなんて。




