ウチのクラスの諸越君
諸越紫庵 通称グレープ。クルクルパーマがカッコイイって勘違いして痛い男の子。
逆に、さらさら髪にメガネが似合いそうなのに勿体無い。
私、搭岸蜜柑は初めて見た瞬間からツボに入っていた。お笑いコンビをやれるのはこの人だけだ!ってね。
ほら、アフロの人が相方とかイイし。アフロと美女はインパクト大有り!美女が誰かは聞くまでもないよね。私だよ。と言うのは半分冗談で。
最近、グレープは飛び級試験で頭がいっぱい。色原先輩とばっかりいるし。付き合ってるって噂まで流れてる。何か、恋するグレープはつまんない。お笑い目指すんなら、そんなのに気をとられてる暇ないんだよ。
「あーあーあー。とうとう覗き魔にまでなったんかいな。」
「もじゃもじゃの観察だよ。」
「はぁ。蜜柑って好きだったん?」
「私の携帯に恋の文字はにゃい!」
「にゃいはにゃいやろ。携帯て…まぁ、デジタルな時代やから携帯に辞書はあるけど。…って何しとんねん!」
私は何をしてるでしょう。
「このままじゃ、色原先輩にとられるー!」
「お前が脱いだ所でな、貧相な体を世にさらすだけやで。なんも変わらんわ。」
「じゃあ!マッチョになればいいわけ!?そしたらグレープも戻って来る?」
「ぶっ飛びすぎてついていけんわ。俺からもグレープに頼むかも知れんさかい、期待せんといてやー。」
私を放置したまま、望月はどっかへ行ってしまった。
「こらぁー!服を着ろーー!!」
あれは確か体育部長のナンタラ先輩。もの凄い勢いで近づいて来たから、私も制服を着ながら逃げた。
あれ。体育部長は温厚で有名だったような?
女子トイレに逃げるという姑息な手段をとった私だった。