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ジブンミチ  作者: shiraha
22/25

言ってみたいセリフ

男に生まれたからには言ってみたいセリフの一つや二つはある。




「ってワケで紫庵はどうよ。」



「お前大部説明はしょったな。」



家に帰ったら俺の部屋で十汰がDSをしていた。しかも、俺が部屋に入ったのに気付かねぇというボケをかましやがったモンだから、後ろから背中に蹴りを一発くれてやった。



で、いきなりこの質問だ。言っておきたいセリフを言えだと。



「誰が十汰に言うか。」



「練習しとかねぇとカミカミのカミカミになってカミカムぞ。」



「何だよそのショボい早口言葉。やたらとカツゼツイイな。」


「ふっふっふー。早口言葉をマスターしてピーの時にピーを早くピーして彼女を失神させたんだぜ。」



「もはや口でピーピー言い過ぎてて理解不能なんだけど。」



フッとメガネを人差し指で押し上げる十汰。こいつは童顔がコンプレックスだから、シャープなメガネで隠そう…としてる。ムダだけど。



「紫庵には刺激が強すぎるから、思いやり?」



外国人の様に両手を広て首を横に振る十汰に、ガツンと一発入れたは言うまでもない。あの見下した目には誰でも腹立つだろう。



「つか、マジで何の用なワケ?あんまふざけると蹴り出すぜ。」


ヒョイヒョイと軽く足を動かす俺。十汰は蹴られ慣れてるのか余裕でまたDSをピコピコとし始めた。



「あ、宿題出てたんだ。たりぃ。」



通学バックを開ける俺の隣から十汰が中を覗いて来た。



「さすが名門だな。教科書分厚ッ!」



「触んなって。」



「宿題多すぎ!俺の学校なら1週間、いや2週間分はあるぜ。」



残念ながら1日分だ。授業中に密かに半分は宿題を済ませる。周りもそんな感じだ。休み時間は有意義に過ごしてぇし。メリハリは大事だ。



「ひょっとして男女交際禁止とか?」



「大体の学校そうだろ。厳しいか厳しくないかってなだけ。」



勉強机に向かった。十汰は横に立って見てる。家庭教師みてぇ。



「ほら、座れよ。」



「いい。立ってる。この暗号何?」



十汰が指差すのを見ると、数学の問題だった。いわゆる、記号の多い連立方程式。



「何って数学だろ。」


「俺も解いていい?」


「じゃあ、丸テーブルで解けよ?いらない紙やっから。」



嬉しそうに丸テーブル移動した十汰。



あの問題…授業では習ってねぇはず。ちらっと十汰を見ると、スラスラと手を動かしていた。俺も自分の宿題に集中することにした。



5分後。



「でけた。」



「は?見せろって。」


確かに…十汰は数学は得意だったけど、今の実力は俺が上なはず。


【言ってみたいセリフ


「俺が守ってやるよ」

主にヒーロー気分の時に使う。鳥肌を立たせる事がしばしばある。


「負けてもダッシュ」

俺の迷言なので意味は無し。



「メガネを取ればどうなるか分かってんのか?」


メガネ男子しか使えない脅し。どうにもならないが、中には強気になるヤツもいる。



「その悲しみクリアしてやるよ」



流し目だと効果有り。


「キスは唇だけじゃつまんない」



色んな部分に優しくしましょう。



「出会ったのは時の運」



微妙に怒られた。】



俺はソレを丸めて、ゴミ箱にシュートしたが残念ながら外れた。



「何だよ。数学は?」


「んなの分かんないし。」



「てか、全部彼女に言ったセリフだろ。最後とか反応書いてっし!」



「結果。人の真似はよくないって事。」



「用意すんのも痛いだろ。」



「言葉ってのは舞い降りるて来るのさ。」



俺が一番言いたいセリフ。ソレは。



信じてる。



の一言。単純な言葉ほど心に響くから。



「紫庵。」



「ん?」



「ガンバレ。」



「何だよ急に。」



「なんとなく。」



こうやって伝わるのは本当の言葉だから。



明日から、また探すか!裏切りモノじゃなくて…。きっと、その人は探して欲しいはずだから。










in理事長室



「受験者の様子はどうですか?」



「諸越紫庵に感ずかれてます。どうすればよろしいですか?」



「そうねぇ。正体がバレた人はどうなったか分かるでしょう?」



理事長の笑みに、その人物はコメカミから冷や汗を垂らしていた。


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