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ジブンミチ  作者: shiraha
16/25

試験の裏では



「なぁ蜜柑。」



「あーもう!うるさいなぁ。」



「いや、一回しか言うてへんし。あぁひょっとして生理なん?」



俺は蜜柑に蹴りを入れられた。ピンクのフリフリやった。珍しく女っぽいパンツ履いとる。…蜜柑が乙女なんて気色悪いわ。



「あのさ、グレープ受かるかな。」



「せやなー。どっちでもええんとちゃう?」


今、俺ら授業どころじゃなくてはサボってるんや。どこかは秘密や。



「望月ってすぐ親友って言うわりに、突き放すよね。」



「人をからかうのおもろいやん。」



「面白がってるなら、授業受けてるはずだよね。なんで、第3音楽室にいるの?私だけの場所だったのに!」



場所言うてもうたやん。しかも、なんで最後らへん叫んだんかは謎や。音楽室やから防音。カップルとかピィーしほうだいや。



ちらっと蜜柑を見ると、教卓に座って足をばたつかせてる。またピンクの乙女パンツがチラチラ見えとる。足だけ見たら、イイかもな。



「俺は紫庵が一番のダチやで。引き立て役になるしな。」



「じゃあ、なんで試験受けさせたのよ!」



あかん。今日は蜜柑がシリアスムードやで。どないしよ。



「紫庵の事『ラヴの好き』なん?」



「ふざけないで。…望月に言った私がバカだった。」



だから女は嫌なんや。めんどくさい。



「蜜柑も女んなってもうたんやな。」



「日本語可笑しいって!生まれつき女だから!」



「俺ん事好きにならんといてや。」



「パードン?」



日本語に訳すと、『何だって?もう一度言って?』や。ちなみに英語やで。



「そろそろ終わった頃ちゃう?」



「話そらしたなぁ!」



あ、やっぱこいつ中身男じゃん。



「んや、勘違いやった。ほな行こか!」



できれば紫庵と同じ年で卒業したいんや。



あ。飛び級受かっとったら、1年浪人させればええやん。



やっぱ俺顔も頭も良すぎて困るわ。



「望月ニヤニヤしすぎてキモい。」



「黙れ!女の殻を被った男め!」



二人のやり取りは延々と続いたのだった。

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