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ジブンミチ  作者: shiraha
15/25

正直者は誰だ



「さっきの試験の本当の目的は、正直者を見定める為のモノでした。」



正直者?



「正確には、ルールを守れる人です。このプリントに約束事が1つだけ書いてましたね。繰越くん覚えてますか?」



前の繰越はビクッと肩が動いた。そして、ゆっくり立ち上がる繰越。



「『自分に票を入れないこと』です。」



「よろしい。」



学年主任は、満足げに笑っていた。



「私が集めたので、指紋で誰のプリントか分かるようしてあります。今から呼ぶ者が合格者です。前に出て下さい。前島弥生、神岡クリス、繰越海羅、栄芽地甜、諸越紫庵。」



5人前に出た。



「この者たちが二次試験合格です。」



「ちょっと待って下さい!内容は見てくれなかったんですか?」



不合格のヤツが吠えてる。確かに落ちたヤツラの方が俺より文才はあったと思う。可笑しな話だ。



「確かに2人ほど稚拙な発表をした者もいますが、不正な行為が一番困るんです。」



絶対に俺と栄芽が稚拙な発表した2人だ。



「なぁなぁー、稚拙な発表って誰?」



「さぁな。」



呑気な栄芽が羨ましくなった瞬間だった。










「次の試験は、筆記試験です。」



筆記か。ようやく試験らしい試験だ…



な!?何だこりゃ!



渡されたプリントを見ると、意味不明な暗号やよく分からない数字の配列。図形。まるで探偵の推理本に乗ってそうなモノばかり。



「やりっ!かーんたーん。」



栄芽の声が聞こえた。


「栄芽くん静かにしなさいね。」



我らがマドンナの紅河あかがわ先生が優しく注意した。声もキレイ何だよコレが。



「あら?諸越くん空欄だらけね。大丈夫?」


ハズッ!先生にだけは見られたく無かった。チキショー。こんなん解けたら天変地位だぜ。



あれ。天変地位?



この図形ひっくり返して見ると、マジかよ!こんなところにヒントが隠れてたんかよ。やっと一問埋まった。



着眼点ってこんな風に変えてけば良いんだな。



それからは、スラスラとまではいかなかったが、何とか8割は解けた。

栄芽は余裕で寝てたし。繰越も早く終わったらしく答案用紙をひっくり返してた。見たわけじゃねぇけど、紙を裏返す音が聞こえてた。



てか、2人の事ライバル視してねぇか?



笑える。



試験受けねぇと、関わる事の無かった奴ら。そんな出会いも悪くない。

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