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ジブンミチ  作者: shiraha
12/25

オアシスが足りない


「お前にはオアシスが足りねぇんだよ。」



十汰んちで寝転びながら言われた言葉を気にも止めて無かった。



てか。



余裕無かった。



最近学校で、一緒にいるのは色原先輩。飛び級の事とか教わる為だし、慣れれば優しい先輩。



「紫庵くん。」



「はい。」



「あと2日でテストだね。終わっても、一緒にいてくれる?」



「先輩…。」



答えられ無かった。色原先輩も返事はまだ良いからと、苦笑いした。可愛い色原先輩と一緒にいれるなんて最高じゃねぇか。なのに、蜜柑と一城の顔が頭に浮かんだ。




微妙な心境のまま校門に向かうと、十汰が跳ねてた。跳ねてたと言うのは十汰用語で、手を振る+何故か足が飛び跳ねる…Etc.



「何か用?」



「クールだなおい!お前のオアシス連れて来たんだよ!ジャッジャジャーン !」



「こんにちは。」



遠慮がちに十汰の後ろから出てきたのは、妖精…天使、天女。いや、俺の好みの女の子だった。ストラーイク!


「紫庵見とれすぎ!ねー、加井春穂かいはるほちゃん。」



今さりげなく紹介したし。それにしても、完璧すぎる。なんなんだよ。この、軽やかな栗色のふんわりくるくるヘアーに、栗色のたれ目。んで、白い美脚。ほどよいクビレ。胸は…デカ過ぎない!完璧だ。



「あの、好きです!」


「ちょ、落ち着いて。んなに春穂ちゃん焦らない。」



「俺も、惚れた。」



「はぁ!?はやっ!」


呆然と俺と春穂ちゃんの間に立つ十汰。けど俺と春穂ちゃんは見つめ合っていた。



「ストーップ!まだダメだ!」



「十汰。どけ。」

「十汰くん。」



「ダメだっつの!お互い中身を見てからだ。許しません。二人のアドもまだ教えません。」



と、春穂ちゃんを連れて行く十汰。



「グレープ。」



振り返ると蜜柑がいた。



「おう。久しぶりに話すな。」



「可愛い子だったね。」



「だから?」



「…何でもない。」



…てか。何このむず痒い空気。おかしいだろ!十汰のせいだし。



俺たちに恋なんて似合わない。

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