オレンジとグレープ
今回の主人公は今までにない感じで行きました。明るく行きたいです!
リンゴーンリンゴーン
清く美しいベルの音。ここ聖・愛鐘高校に受かって良かった。
フッ。
俺に振り向くかわいこちゃんたち。コンタクトにして大正解だ!髪も自然なパーマを当てたし。着崩した制服もイケてるだろ?
クラスは1ーAか。
ガラガラ…
うるさく騒ぐ連中はもういない!俺の時代が来たんだ!
「それでは、そちらから自己紹介をお願いします。」
シスターの格好した先生。
おしとやかな女子に、頭のいい男子。そりゃ倍率すごかったからな。
「次は…。」
「はーい!最近好きな食べ物は!黄色くて細長くって、ブツブツしてる食べ物です!あれ?何だったっけ。」
「とうもろこしだろ?」
「君!いいとこつくね!諸越くん!」
「は?何で俺の名前知ってんだよ。」
「ギャグだよ。諸越くん!」
シスターが、静かにキレている。てか、ウルさいヤツが隣に来た。とうもろこし…もろこし…諸越くん。分かりずれぇよ!
他のヤツの自己紹介中も俺に話しかけてくるとうもろこし女。
「てか、お前名前言ってなかったじゃん。」
「知りたい?」
「お前なんか知るか!」
バンッと教卓から音がした。
「罰として二人とも、正座なさい!」
入学初日から正座とかついてねぇ。全部この女のせいだ。
「ねぇそれパーマ?」
「触んな。コーン娘。」
クスクスと教室に笑いがおきてる。俺、絶対にお笑い担当だけは嫌だ!
「諸越くん。コンビ組もうよ。」
「組むか!」
そのあと、シスターに怒られた。俺ばっかだぜ?不公平なんだよ。
職員室から出て、とうもろこし女が手を差しのべて来た。
「改めまして私、塔岸オレンジと言います!よろしく!」
握り返そうとして、ピタッと止まった。
「オレンジは嘘だろ?蜜柑とか?」
「ザッツライト!じゃあ、私がオレンジなら諸越くんは、もじゃげね!」
「俺の名前は無視かよ!紫庵!」
「グレープね!」
会話のかみ合わねぇオレンジは、俺の手を物凄い握力で握りやがった。
「てぇー!このクソ女!」
「やーっぱりね。グレープは、ナヨってる!ナヨり族出身でしょ!」
ズバッと指を差された。ちょい図星だし。元々毎日図書館に通う眼鏡っこだった。
「てか、授業始まってんじゃねーの?」
「私たち何処に向かって歩いてんだっけグレープ!」
「は?お前の後ついてただけだし。」
何故か、美術室の前にいる俺ら。
「グレープ!ナヨり族でもオシベついてんでしょ!」
「はぁ。普通に話せや。」
ガラガラ
「失礼しまーす!」
「って、スルーすんな!」
何故か薄暗い美術室。空気がもわんとしてるし、正直言わせてもらうと
「くせっ。」
「きゃはっ!私も思ったぁ!」
あーあーあ。テンション高いな。一緒にいると疲れる。
「ちょっとグレープ!ドア閉めないでよ。」
「オレンジ。こちらグレープ。閉めたの俺じゃねぇよ。」
「了解!って、コント出来てるし!」
喜んで俺に走ってくる塔岸…いや、オレンジか。
ザッ!
「キャッ!」
ここは誰でも受け止めると思う。このヘンテコでも一様は塔岸が言う感じで言うとメシベだからな。
「わっ。はなしなさいグレープ!」
「照れてんの?」
ウケる。こいつこっちには免疫ねぇんだな。俺の腕から逃げて、塔岸はドアを開けようとした。
ガガッ…ガッ!
ドアは動かず。塔岸が蹴りを入れてる。
「…パンツ丸見え。」
「パンツくらいいーの!とりゃぁ!」
華麗な飛び蹴り。
オレンジのやつ意外と美脚だよな。
「見てないで手伝ってよ!」
「へーへー。こういう場合はだな。」
俺は別の窓を探して、開けてみる。
「一番奥の上の窓は開いてるぜ。」
すぅーすぅー
「こんな時に寝るか普通?」
マジ無防備だな。少し癖のある髪を耳元で二つにくくってる。睫毛は、普通だな。やべぇ。唇に目が行くとこだった。
てか、携帯かければいいじゃん。職員室にかけて、また怒られた。
最高の学園生活が踏んだり蹴ったりの一日から始まってしまった。