表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/154

第146話『牛肉が苦手な客』



夜の深まった頃、一人の客がのれんをくぐった。

どこか気まずそうにカウンターに座ると、メニューも見ずに言う。


「マサさん…その…牛肉はちょっと苦手でね。牛丼じゃなくて、豚で丼ってできるかい?」


しのぶが首をかしげる。

「豚丼?帯広名物の?あの甘辛いタレで焼いたやつ?」


マサは軽く笑って、まな板に包丁を置いた。

「そうだ。牛じゃなくても丼は丼だ。豚には豚の旨さがある。」



---


マサ流 豚丼 レシピ


材料(2人分)


豚ロース薄切り(または肩ロース):200g


玉ねぎ:1/2スライス


生姜:1すりおろし


ご飯:2膳分


白ごま、刻み海苔:少々



タレ(合わせ調味料)


醤油:大さじ3


みりん:大さじ2


酒:大さじ1


砂糖:大さじ1


すりおろし生姜:小さじ1



作り方


1. タレの材料を混ぜ合わせる。



2. フライパンで豚肉を焼き、火が通ったら玉ねぎを加える。



3. タレを回しかけ、中火で照りが出るまで煮絡める。



4. 熱々のご飯にのせ、仕上げに白ごまと刻み海苔を散らす。




マサの一言アドバイス

「豚丼はな、脂の旨味を引き出すのが鍵だ。厚めの肩ロースを使うとコクが出る。

あっさり食いたきゃ、ロース薄切りでも十分だ。」



---


食堂のひとコマ


出来上がった丼を前に、客が箸を入れる。

「うん…豚は柔らかいし、タレが染みて旨いなぁ。牛丼より好みかもしれない。」


しのぶが笑って茶を注ぐ。

「牛が苦手でも、ちゃんと選べる一杯がある。ここはそういう場所よね。」


マサは煙草に火をつけ、ぼそりと呟いた。

「結局、腹が満ちりゃあそれでいいのさ。」


深夜食堂しのぶに、ほんのり甘辛い香りが漂っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ