第134話:『四種のおはぎと、あやめ団子』
お盆が近づくと、マサは石岡に帰る。
母方の墓参りのついでに、必ず立ち寄る和菓子屋がある。
以前、旅人の客からもらった苺大福の味が忘れられず、それ以来、年に数度の楽しみになった。
暖簾をくぐると、目の前に並ぶ色とりどりの和菓子。
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四種のおはぎ
1. つぶ餡(ふっくら炊いた小豆の粒感と豊かな甘み)
2. こし餡(なめらかな舌触りと上品な甘さ)
3. 胡麻(香ばしく煎った黒ごまをすり、甘みと混ぜた餡)
4. きな粉(中にこし餡、外側にたっぷりときな粉をまぶす)
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あやめ団子(黒糖黒蜜だれ)
団子に絡む濃厚な黒蜜は、黒糖の深いコクと香りが主役。
石岡の夏を感じさせる、昔ながらの味わい。
レシピ(4〜5本分)
黒糖 … 100g
水 … 100ml
醤油 … 大さじ1
片栗粉 … 大さじ1/2
水(片栗粉用) … 大さじ1
作り方
1. 鍋に黒糖・水・醤油を入れ、弱火で加熱。
2. 黒糖が溶けたら、水溶き片栗粉を加える。
3. 混ぜながら弱火で煮詰め、とろみがついたら火を止める。
4. 粗熱が取れたら、団子にたっぷりかける。
ポイント
黒糖は好みで種類や量を調整。
弱火でじっくり焦げ付かせない。
片栗粉は必ず水で溶いてから加える。
とろみはお好みで。
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マサはつぶ餡をひと口。
> 「……うまいな。甘さがしつこくない」
次にあやめ団子をかぶりつく。
黒糖の香りが鼻を抜け、団子のもっちり感が広がる。
> 「これもたまらん。石岡に来てよかったぜ…」
包みをもうひとつ頼み、懐に入れる。
> 「そうだ、しのぶにも持って帰るか」




