第132話:『お盆と、ずんだおはぎ』
お盆が近づくと、店の空気も少し静かになる。
その夜、しのぶは台所で枝豆を茹でていた。
マサが覗き込む。
> 「お、餃子か?」
「違うよ、マサさん。今日は“おはぎ”」
「おはぎ? 枝豆で?」
「うん、“ずんだ”っていうの。お盆になると、母がよく作ってくれたんだ」
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ずんだおはぎ – しのぶ式レシピ
材料(8個分)
枝豆(さや付き)… 300g
砂糖 … 大さじ3〜4(好みで加減)
塩 … ひとつまみ
餅米 … 1合
水 … 適量
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作り方
① 枝豆を塩ゆでし、粗熱を取ってさやと薄皮を外す。
② 半殺しにする(すり鉢で粒が残る程度に潰す)。
③ 砂糖と塩を加え、ざっくり混ぜてずんだ餡を作る。
④ 餅米を炊き、熱いうちに半殺しにする。
⑤ 小さく丸め、ずんだ餡で包むか、上にのせて完成。
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しのぶのアドバイス
枝豆は色鮮やかなうちに作業すると、見た目が美しい。
半殺しは力を入れすぎない、粒感が命。
餅米は少し固めに炊くと、形が崩れにくい。
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物語の余韻
お盆前、ずんだおはぎをひとつ食べた常連の老婦人が、ぽつりと言った。
> 「これを食べるとね、迎え火の夜の匂いを思い出すのよ」
マサが茶を注ぎながら、
> 「匂いか……“おふくろの味”ってのは、味より先に鼻が覚えてるもんだな」
しのぶは微笑み、次の枝豆の皮をむき始めた。




