第128話:『灼熱の夜と、冷やし鉢』
関東、連日40℃近い猛暑。
夜になっても気温が下がらず、熱気の中で「深夜食堂しのぶ。」の扉がゆっくりと開いた。
疲れた会社員がふらりと入ってくる。
> 「……熱いもんなんか、見るだけで汗が噴き出る……
でも、何か食べなきゃっていう気持ちだけは、あるんだ」
しのぶが無言で立ち上がる。
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しのぶの冷やし鉢・献立と詳細レシピ
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一、冬瓜と干し海老の冷やし煮
材料(2人分):
冬瓜:300g(皮をむいてワタを取ったもの)
干し海老:小さじ1
だし:400ml(昆布+かつお)
薄口醤油:小さじ2
みりん:小さじ1
塩:少々
作り方:
1. 冬瓜は3cm角に切り、下茹でして透明感が出るまで煮る。
2. 鍋にだし、干し海老、冬瓜を入れ、調味料を加えて弱火で10〜15分煮る。
3. 粗熱を取り、汁ごと冷蔵庫で1時間以上冷やす。
4. 器に盛り、冷たくして供す。お好みで柚子皮を添える。
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二、茄子の冷やし揚げ浸し
材料(2人分):
茄子:2本
揚げ油:適量
だし:200ml
醤油:大さじ1
みりん:小さじ2
おろし生姜:少々
作り方:
1. 茄子はヘタを落とし、縦半分に。皮に格子状の切れ目を入れる。
2. 180℃の油で素揚げ(2分ほど)。
3. 熱いうちに冷たい漬け地(だし+醤油+みりん)に浸す。
4. 冷蔵庫でしっかり冷やし、食べる直前におろし生姜を添える。
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三、オクラと長芋の梅肉和え
材料(2人分):
オクラ:4本
長芋:5cm
梅干し:1個(種を取り、叩く)
鰹節:少々
醤油:少々(あれば白だし)
作り方:
1. オクラは塩でこすって産毛をとり、軽く茹でて輪切り。
2. 長芋は皮をむいて短冊切り。
3. 梅肉と和え、少しの白だしを加えて全体を優しく混ぜる。
4. 鰹節をのせて完成。
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四、冷製鶏の酒蒸し・大葉ポン酢
材料(2人分):
鶏むね肉:1枚(250g)
酒:50ml
塩:ひとつまみ
大葉:3枚(千切り)
ポン酢:適量
作り方:
1. 鶏むね肉は全体に塩をすり込み、酒とともに耐熱容器へ。
2. ラップをして電子レンジ(600W)で3分→裏返してさらに2分。
3. 粗熱を取ったらスライスし、冷蔵庫で冷やす。
4. 大葉をのせてポン酢をかけて供する。
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五、締めの冷やし茶漬け(鯛の漬けのせ)
材料(2人分):
鯛の刺身(薄切り):8枚
醤油:大さじ1
みりん:小さじ1
ご飯:小盛り2膳
昆布だし(冷):300ml
氷:適量
刻み海苔・胡麻・わさび:適量
作り方:
1. 鯛は醤油とみりんに10分ほど漬けておく。
2. ご飯に漬け鯛を乗せ、刻み海苔・胡麻・わさびを添える。
3. 冷たい昆布だしをかけ、氷を浮かべて供する。
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ドリンクサービス
冷やし麦茶(自家焙煎)
ほんの少し塩を加え、ミネラル補給を兼ねる。
しのぶが出す冷麦茶は、少し香ばしくてやさしい。
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食後、マサがぽつりと呟く
> 「冷たい飯ってのは、心まで冷やしちゃいけねぇ。
でも今日のこれは……“命をつなぐ味”だな」
しのぶが静かに微笑む。
> 「ご飯って、“熱”がなくても、ぬくもりを込められるんです」
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蝉の声が止み、
夜風が少しだけ涼しくなった気がした。




