表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/154

第106話:焼き肉サラダ


暑い。とにかく暑い。

七月の終わり。夜なのに、風はぬるいままだ。


厨房のマサが、冷蔵庫の前で氷水を取り出す。

グラスに水とレモンを入れてカウンターに出すと、

タイミングよく、扉の鈴が鳴った。


 


「こんばんはー……生きてるだけで、精一杯って感じだよ」


入ってきたのは、少しバテた顔の常連、山田やまだ

白いYシャツの袖をまくり、クタクタに見えるのに、口は元気そうだった。


 


「マサ、なんかガツンとくるの食べたい」

「焼き肉……ってのは、無茶かな」


そう言って、笑う。


しのぶが顔をのぞかせる。


「……マサさん、なんとかなるかしら?」

「……何とか」

苦笑いして、マサはフライパンを手に取った。


 



野菜を切る音、ジュウと肉が焼ける音、

マサは黙々と動きながら、冷蔵庫から冷えた器を出した。


そこに、千切りキャベツ、紫玉ねぎ、ミニトマト、水菜――

ひんやりした野菜たちを敷き詰めていく。


 


同時進行で、豚バラをサッと焼き、

酒、醤油、みりん、生姜、ニンニクで甘辛く炒める。


タレが焦げる寸前で、火を止めて仕上げ。


 


ジュワッと音を立てたままの豚肉を、

冷えた野菜の上にドサッと乗せる。


刻み海苔と白ごまをふって、完成。


 


「お待ち」

「……おお!すげぇな、これ」


 



焼き肉サラダ


冷えた野菜と、熱い生姜焼きのコントラスト。

下には、隠し味で青じそのドレッシングが仕込まれている。


箸で豚肉をひとつ、サラダと一緒に口へ――

山田の眉が上がる。


「うっま……」

「冷たくて、あったかい……最高だわ」


 


しのぶが、冷えたウーロンハイをそっと出す。


「ほら、肉にも野菜にも合うでしょ」

「……しのぶさん、やっぱこの店、やめられないや」


笑って、山田はグラスを傾けた。


 


 


外はまだ熱を帯びていたが、

この一皿と一杯が、夏の夜をほんの少しだけ楽にしてくれた。





マサ特製・焼き肉サラダ


(1人前/調理時間:約15分)


■ 材料:


【野菜サラダ】


キャベツ(千切り):50g


水菜(ざく切り):30g


紫玉ねぎ(スライス):20g


ミニトマト:2〜3個(半分にカット)


青じそ:2枚(細切り)



【焼き肉(生姜焼き)】


豚バラ肉:100g(薄切り)


塩こしょう:少々


サラダ油:小さじ1



【生姜焼きダレ】


酒:大さじ1


醤油:大さじ1


みりん:大さじ1


おろし生姜:小さじ1


おろしにんにく:少々(好みで)



【青じそドレッシング(サラダ用)】


ポン酢:大さじ1


ごま油:小さじ1


青じそ(みじん切り or チューブ):小さじ1



【トッピング】


白ごま:少々


刻み海苔:適量




---


■ 作り方:


①【下ごしらえ】

冷蔵庫に器を冷やしておく。

キャベツ・水菜・紫玉ねぎは氷水にさらしてシャキッとさせ、水気をしっかり切る。

青じそは細切り、ミニトマトは半分に。


②【焼き肉】

豚バラ肉に軽く塩こしょう。

フライパンに油を熱し、強火で豚肉を両面焼く。

脂が出てきたらキッチンペーパーで軽く拭き、

生姜焼きダレを加えて中火で煮絡める(約1分)。


③【ドレッシング】

ポン酢+ごま油+青じそを混ぜて、野菜に軽く和えておく。


④【盛り付け】

冷やした皿に野菜サラダをこんもりと盛り、

その上に焼きたての豚肉をのせる。

白ごま・刻み海苔を散らして完成。



---


合わせるなら:


冷たいウーロンハイ or ハイボール


香り高い冷や酒


白ごはん(少なめ)も◎






マサのひとこと:


「熱いのに冷たい。矛盾も、工夫すればうまくいく」


しのぶのひとこと:


「疲れた人には、野菜だけじゃ足りないのよ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ