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part9

ザワついている廊下。賑やかな教室。秋の風。

今日も今日とて高等学校では神たちがお喋りしたり、

ゲームしたり、喧嘩したりしています。

そんな中でヤマネは何人もの先生のところを巡っては、

たくさんの質問をしています。

ヤマネはすごく勤勉で、卒業試験の猛勉強のおかげか、

勉強が好きな子になっていました。


ヤマネ「先生!ここの化学反応を表す式の作り方が

分からないです!」

「先生!ここの言語学の文法はどういう仕組みで

使われていますか?」

「先生!数学レポートのアドバイスを

頂きたいです!」


このような生活をヤマネは毎日送っていました。

授業後も休憩時間も放課後も。

こんな生活にも関わらず、ヤマネの周りには男女問わず

何柱もの友神がいました。ハイリーと違って。

学校での恵まれた環境のおかげで、

ヤマネは笑顔でいることができました。


月日は流れて、冬の試験期間に突入しました。

ヤマネとハイリーはすごくピリピリしています。

他の生徒も例外ではありません。

試験の結果でほぼ成績が決まってしまうからです。

この時期になってくるとどこ神学校も試験期間で、

子どもの神たちは揃いに揃って必死な顔です。

そんな中で、ヤマネは号泣しているカシューを

家に帰宅すると見つけました。


ヤマネ「どうしたのカシュー!?」

カシュー「お姉ちゃん…。私…もう無理だよ。

勉強しても勉強しても、まだ足りない。

自分を信用出来ない!怖い!

本当はこうして泣いているのも勿体無い!

そんなこと分かりきってる!

でも…これでまた成績が悪かったら…

私また、熱湯を…。

いやぁぁぁぁ!」

ヤマネ「落ち着いて!落ち着いてカシュー!

泣きたい時は思いっきり泣いていいんだよ!

辛い時まで自分を抑制する必要は無から

大丈夫だよ! 」

お母さん「そうよ落ち着きなさい、カシュー」

ヤマネ「あ…お、お母さん」

カシュー「あ…あぁ」


お母さんは冷たい眼差しでカシューを見つめます。

その刹那、冷水をカシューの頭からかぶせます。


お母さん「うるさいのよ、さっきから。

お母さん言ったわよね?

泣く暇あるんだったら勉強しろって。

こんなクソみたいな『義務』があるの、

本当面倒ね。こんなの無かったらアンタを

とっくに捨てていたというのに」


お母さんが言う『義務』というのは、親が子に成神するまで行わないといけない最低限のルールです。

・子どもを家で育てる

・子どものありとあらゆる未来,夢を踏み躙らない

・子どもを傷つけたあとは、それを修復する


主にこの3つが法律として、全ての親子の神々に例外なく

適用されています。

お母さんとお父さんにとって、カシューには大した

期待を寄せていないため、邪魔で仕方がないのですが、

この『義務』によってカシューは守られているので、

捨てることはできません。

もしも『義務』のいずれかを破ってしまった場合、

『天誅』が加えられます。本来の意味での『天誅』ではありませんが、刑罰という意味として使われています。


カシュー「勉強しなくちゃ…」

ヤマネ「………」


ヤマネは今どうして高等学校で勉強をしているのか、

それにはある理由がありました。

『世界を変えたい』という理由があったからです。

ヤマネがこの家に来てから、何かしらの理由で

親に暴力を振るわれたりする日常になっていました。

ヤマネはそれが許せなかったのです。

たしかに周囲には自分のように、

このことを隠して生活している友神が何柱かいます。

寧ろ、そのような子たちの方が友神の大半です。

私たち子どもがいつでも笑顔になれる世界に変える。

それがヤマネの今の目標です。

そして現在、ヤマネは頑張って貯めたお金で両親から

カシューと共に離れる計画を図ろうとしています。

目標を叶える前に、身の回りからしっかりやる。

ヤマネの揺るぎない覚悟の第一歩です。


忙しい自分たちを待つことなく、

新しい朝が冷たい空気と共にやってきました。

カシューは沢山泣いたせいか、眼が腫れていました。

不憫だなと思い、ヤマネは両親にバレないように

色々フォローします。朝ご飯にカシューの好きな

鮭の塩焼きを焼いたり、髪型を整えたり、

ハイリーを勝手に置いて行って2人っきりでゆっくりと

霜柱が立っている原っぱを通って登校したり。

そうしているうちに、カシューの顔が少し緩みました。


ヤマネ「カシュー、大丈夫?」

カシュー「ありがとうね、お姉ちゃん。

     元気出たよ!また頑張れそうだよ!」

ヤマネ「それはよかったわ。じゃあねーカシュー。

    学校頑張ってね」

カシュー「お姉ちゃんも頑張ってね!ファイト!」


こうして別れてヤマネが歩こうとすると、急に後頭部を

鷲掴みにされます。


ヤマネ「痛い痛い痛い痛い痛い!!」

ハイリー「お前さぁ、これ何回目だよ!」

ヤマネ「ごめんって!後で何か奢るから許して!」

ハイリー「調子に乗りやがって」ゴキッ

ヤマネ「あぎゃぁぁぁーーー!!」

???「朝から騒々しいでザマス!」

沢山の女子生徒「そうですわ!そうですわ!」

ハイリー「うん?

ヤマネ(チーーン)



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