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part55

ガードと話した結果、風の国の統治者であるミラーに委託することにした。いくら世界の王であるガードであっても、地理や環境全てを網羅しているわけではない。わざわざガードが全てに介入する必要などもない。合理性が好きなガードには、素晴らしい選択だ。


ミラー「…僕、あまり寒い場所は好きじゃない」

ミケ「寒かろうが、寒くなかろうが、それが空ですから。仕方ありません」


2人はこう見えて頭を悩ませている。そんなに寒い場所に足を踏み入れたことはない。ほんのりと香る雪の匂いと冷たい足音。このまま、春になることなく、一生を終えるのだろうか。


民「…出たよ、忌み子だ」

民「嫌だねぇ。またあんな目を見せられるんじゃないかね」


冷たい。それは環境に対しての言葉という訳ではない。人もまた、冷たいのだ。ミラーの閉じられた目を、彼らは忌み嫌っているのだ。


ミラー「目があったら、あんなこと言われないのかな」

ミケ「どうしてこうも、ヒトは冷たいのでしょうか」

ミラー「寒いからじゃないかな。暖かい場所にいないと、イライラしちゃうのはよくあることだよ。そのために、今から頑張らないとね」


風に流される言葉の数々が、どれほどのヒトを傷つけるのだろうか。もっとも、自由に流れる風を愛する風の民たちにとって、何かしらの支配者など好きになれるわけがないのだが。


ミラー「雪山が寒くて敵わないなら、キールに頼むのはどうかな」

ミケ「キール様…確かに、炎の魔術なら…いや、ガード様という上位互換がいらっしゃるのですし…」


あの猛吹雪を前に立ちすくむ2人。暖かさを求めてあれやこれやと話をしていると、吹雪が止まった。


ミケ「…ようやく止まりましたね」

ミラー「日に日に長くなっている…ガード様はああ言っていたけど、明らかに人為的な気がする。こんなに大規模な吹雪を発生させるなんて力量、勝てるのかな…」

ミケ「…話す、というのはどうでしょうか」

ミラー「結局は向かわなきゃいけないよ。やっぱり、あの『魔力源泉』を使おう。それがいい。ガード様の魔力に調和できるように僕たちが調整しよう」

ミケ「かしこまりました」


いつの時代かに、魔力が湧き出る源泉が発見された。それは今となっては人々が空を飛ぶために必要不可欠なものになっている。果たしてこの源泉の発見者の功績が、この時代の者たちに暖かさを齎すのだろうか。


???「…この吹雪が、誰かの心を守れるのならば、私はあなたたちを拒絶し、寒さを心に植え付けてあげる」

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