part52
クルー「そうですね…私はあくまでも医療機関を統制
している身です。戦闘に関しては他の者に
一任しています。貴方様が仰るような薬は
無害薬品ですから市場にもう出回っていて、
ハッキリ言って1番余裕があると思われます。
戦力的にも十分ですし。あの魔女は最近全く
動きがないので、引き続き警戒でよろしい
かと思います」
ガード「まあこの国に関して俺も何も言わない。
あとはキールが帰って来るまで待たないと
いけないな」
キールは脱水で倒れてしまい、そこから早くも20分は経過していた。
ガード「…あの水刻時計を発明したのはお前だった
よな?」
クルー「正確には、私ともう1人の部下です」
ガード「あの時間を可視化する道具の普及率も凄まじ
いものだ。その頭脳には感服する」
クルー「ご謙遜を、私など貴方には全く及びません。
ただ分野が違うだけでございます」
キール「ぅえ…会話中ごめんなさい、何とか回復しま
した…」
ミラー「大変だった……」
ガード「早く話してもらおうか」
脱水から回復したのは『炎の国』代表、キール・レヴィアタン。彼は体内の水分量が足りなくなり脱水症状が常に起こってしまう特異体質で、ガードが作った
無限水筒で水を補っている。ここまでする理由はガードすら引き寄せない『引力』の力を持っているという稀有な存在だからだ。
キール「はい、それでは改めまして、現在国全体で
穀物不足の問題を解決しようと努力して
います。冬の大寒波の影響で取引相手の『風
の国』の作物量が大幅に減少してしまい、
餓死者は出ませんでしたが、飢餓状態の者が
数名出てしまいました。現時点で挙げられる
解決方法は、新しく作物栽培施設を作り、
ほぼ0に近い自給率を上げることかと思い
ます。僕たちが誇る質の高い炎、水、風の
魔石による比較的涼しい環境での栽培に挑戦
しています」
ガード「…やはりあの寒波が尾を引くな」
ミラー「そのようですね…」
クルー「原因を突き止めるのは如何でしょう、少なく
とも敵が人為的に起こしているかどうか
くらいは知る必要があると思います」
ガードは悩んでいた。発生しているであろう場所や
地域はほとんど分かっているものの、無事でいられるかは分からないからだ。かと言ってクルーの言い分ももっともだ。
ガード「探索及び調査については後日結論を出す。
定例会議の方はこれにて解散だ」
静かな部屋から次々と代表が出ていく中、ガードは
キールを引き留めた。
ガード「キール」
キール「はい、ガード様」
ガード「水筒はどの程度壊れたのかを今見せてもらう
ことはできるか?」
キール「このような状態です…」
ガード「……これくらいなら今直すか」
キール「ありがとうございます!」




