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part48

ナンス「さーて、どこに帰っていくんだ?」


ナンスは害獣を追っています。優れた身体能力で木の上を飛んでいきます。すごく距離のある走り幅跳びを難なくこなしているようなものです。


ナンス「紳士淑女にはなれそうにないヒトたちは

    どうよ?」

レイチェル《ものすごく失礼ね。それが水の国の礼儀

      なのかしら》

ジル《…そっちはどうなんだ?》


彼らは遠距離でも会話ができるように『通話』して

いました。魔力を個人の魔力に繋げることで音波の

ような波を作ることができ、それを調整することで、

会話ができるのです。


ジル《急に…方向転換したな》

ナンス「そっちの方向は森だよな」

レイチェル《ずっと思ってたけど、アンタの身体能力

      バカすぎない?》

ナンス「え?別にこれは元からあったわけじゃねぇ

    から、お前らだってこれくらいは卒なく

    こなせるだろ」

レイチェル《無理無理無理》


こんな風に会話をしていると、森の木をどんどん

抜けていく傍ら、3人は不思議な感覚で満たされて

いきました。奥へ進めば進むほど、何だかとても、

悲しい気持ちになっていきます。抗いようもない莫大な感情で、押し潰されそうになりながらも、3人が

辿り着いたのは森の最奥でした。


レイチェル「ここは…」

ナンス「遺跡か何かか?」


目の前にあるのは古びた石造りの門でした。その門の

前には、敵の身体の一部である部品が、ゴミ捨て場のように散らかっていました。追っていた害獣たちは

どうなってしまったのでしょう。


ジル「……おい」

レイチェル「…え?」

ナンス「………」


3人は酷く驚きながらも、瞬時に構えました。それもそのはずです。その遺跡の門から、謎の人物が現れたのですから。


???「久しぶりに帰ってこれたわ。3人も元気に

    していたかしら?」

ナンス「俺は知り合いになった記憶はないんだが」

???「まあ直接会ったことはないもの。でももう

    大丈夫。今までよく頑張ってくれたわね」


その女性は3人の顔をよく見つめます。先程までの

悲しさは消えていました。


???「レイチェル、ジル、ナンス…あなたたちなら

    こんな苦行でも乗り越えられるはずよ。

    どうかこの世界を救うことを手伝ってもらえ

    ない?」

レイチェル「まず名を名乗りなさいよ」

???「わたし…わたしはこの世界の代理人、世界の

    創造者ヤマネの使い、フィンよ」

ジル「…聞いたことがある。伝承の…使徒」

フィン「よく知ってるじゃない」


フィンは落ちていた欠片を見て、燃えたぎる怒りを

顔に出しました。


フィン「3人だけじゃない。皆んなで力を合わせる

    必要がある。奴らの力がこれ以上わたしたち

    の世界に届かないように封印しなければ

    ならない。そう、ヤマネ様は仰っていたわ」

ナンス「…信じられないことの方が多いな」

フィン「貴方の手をこうして取っても、何も言わない

    のに?」

ナンス「…うわっ?!きっしょ死ねや!」

フィン「さて…皆んな、国へ帰ろう。帰って暖かい

    ご飯を食べよう。負けるわけにはいかない

    もの。お嬢様も、もうしばらくの辛抱で

    ございますよ」

リリア「3人とも…無事でよかった」


なんとリリアは3人のあとを密かに着いてきていたのでした。


ジル「見ていたのか…」

リリア「偶々よ。体調もよかったからね」

フィン「お嬢様ももう夜遅くですから帰りましょう」

レイチェル「アンタ本当に使えるのよね?」

フィン「ヤマネ様の顔に泥を塗るわけにもいかない

    からね。やるからには徹底的にやるわ」


害獣の来る道を辿った先に、強力な味方まで手に

入れた一行は帰路に着きました。フィンは門を見つめ直すと、少し寂しそうな顔をしましたが、それに

気づく者はいませんでした。

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