part44
ナンス「おいこっち絶対遠回りだろ」
レイチェル「うっさいわね。たかが山ひとつ登った
だけでしょ。この根性なし」
ナンス「大体そういうこと言ってるやつは嫌われるん
だぜ?我儘ワンコが」
レイチェル「誰が犬公だボケナス」
2人は『炎の国』の焦土帯を歩いていました。というのもナンスの薬の材料が不足したので採取をしに来たのです。
レイチェル「あ、あったわよ」
ナンス「流石鼻がいいな」
レイチェル「だから犬じゃないわよ私は」
ナンス「掘れるもんなら掘ってみろよ」
レイチェル「よし分かったぶっ殺す」
レイチェルがナンスを殴ろうとしますが、ナンス自身は特に危機感を感じていないどころか、逆に彼女を
嘲るように笑っていました。
ナンス「何だ〜?殴り合いか?俺も混ぜてくれよ」
レイチェル「席はもう埋まっていますけど、迷惑客用
の席がありましてよ」
ナンス「仕方ないからそうするとしよう」
2人は思いっきり殴りました。しかし殴ったのはお互いの身体ではなく、足元、硬い地面です。
殴ってみると地面は陥没しました。地面に炎と水の
魔力が篭ります。それに釣られてやってきたのは…
ナンス「居たぞ薬の材料」
レイチェル「『グハン』ね…ねぇアレは本当に殺せる
んでしょうね?」
ナンス「ビビるなよ犬。吠えてみろよ」
レイチェル「後でマグマぶっかけてやる」
グハン「ギャォォォォォォォォォォッッッッ!!」
グハンはシチフクの世界では害獣に認定されている超大型のイグアナです。グハンは魔力が大量に含まれている魔石という鉱物を1日に5キロも食べると言われており、内臓には上等な魔石が大量に入っていることから密猟されてきました。しかし近年、グハンは知能をつけ始めて、ヒトを襲うようになり、多くの死傷者を出したこともありました。そんなグハンを薬の材料になるからとナンスは地元民のレイチェルと協力してやって来たのです。
レイチェル「ナンス、アンタから行きな」
ナンス「了解、子犬」
ナンスはそう言ってその場に立ち止まるとレイチェルは対照的に一目散に逃げました。
ナンス「来いよ」
グハン「グォォォォォォォォォォ!!」
グハンがナンスに魔術を放ちます。獣の一種がここまでの火炎球を出すとは。ナンスは感心した様子です。
しかしナンスの前では、ほとんどの魔術が意味をなしません。
ナンス「…これくらいか。オラっ!!」
ナンスが火炎球を徐に自身の拳で殴り返します。
するとどうでしょう。火炎球が最低限の被害で抑えられました。
レイチェル「アンタの勘ってどうなってるのよ」
グハン「グォォォォォォォォォォ!!」
グハンは負けじと次々と火炎球を繰り出します。
それはナンスだけで全て防がれてしまっていました。
ナンス「はいはいはい。俺がちゃ〜んと消してやるか
ら急かさないでくれよ?」
レイチェル「ねぇ!こっちに飛んでくるんだけど!」
ナンス「そんくらいお前でも消せるだろ!もうアイツ
魔力ガス欠してるし俺が確殺するからやって
おけよ!」
レイチェル「はぁ?!何でそんなめんどくさい…いや
アレをああしてああすれば…ムフフ」
ナンスは視界にある火炎球全てを消しました。魔力ガス欠のグハンは最後の足掻きとして咆哮します。
グハン「ガァァァァァァァァァァっ!!!!」
ナンス「…まあ魔力は流石だが、アイツには全然負け
てるぞ雑魚芋虫」
『ファンナータイオン』
ナンスは水の魔術を砲弾のようにしてグハンに放ちます。グハンはその鋭い威力で息絶えました。グハンの口からは沢山の輝きを見せる石、つまり魔石が大量に出てきました。
ナンス「おーい終わったz」
レイチェル「そうね終わったようね」
ナンス「…何でさっきのやつの火炎球を手にしてるん
だ?しかもほぼゼロ距離で」
レイチェル「嫌いな奴は認識しなければ頭に入ってこ
ないらしいわよ。傷と同じで」
ナンス「そーなんだすごいねー」
レイチェル「汚いやつは汚い顔になればいいってメア
リも言ってたし」
ナンス「その心は?」
レイチェル「控えめに言ってくたばれ」




