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part38

???「あら、それで終わりかしら」


やはりこうなる運命だったのでしょうか。

ナンスの目の前には顔の皮膚が剥がれた美魔女が

浮いていました。美魔女の持つ短い杖から放たれる

カマイタチの如く鋭い風が、ナンスを襲います。


ナンス「別に?俺にとってこれは効かないものの

    ひとつだ」


ナンスは特に何も動じないまま、風を断ちます。


ナンス【集え。数多の根源、数多の終着点。

    手先、足先までの全てを浸す】


これは唄言語と呼ばれるものです。

この世界には幾つもの言葉が存在しています。

もちろん会話するためのものです。

では人々が使う言語以外に言語は存在しないか?

それは違います。

唄言語は自然と対話するための言葉です。

自然も人間に聞こえないような言葉を交わすのです。

精霊が自然の代理として、超常現象の類として

私たちに話しかける時が歴史上にあったように。

ナンスが唄言語を発すると海の水が、まるで柔らかい縄のように変形し、魔女を拘束します。魔女は振り解こうとするもできませんでした。


ナンス「お前、親玉はいないの?モブよりも稼げる

    首が欲しいんだけど」

???「そうですねぇ、マスターからは何も仰せ

    つかっていないので話すことはできかね

    ますが、私の名前くらいは教えましょう」


魔女は出来る限り丁寧にお辞儀をする。それを見た

ナンスは退屈そうな顔をする。


ナンス(あーあ。そんな無駄なことしちゃダメ

    でしょうに。可哀想ですわねぇ?)

???「ごきげんよう、私の名前…」


魔女の身体に向かって槍が投げられ始めます。

血ではなく部品がこぼれ落ちます。


???「酷いですわ。私が自己紹介をしているのに」


何の同情もないように、槍が矢継ぎ早に降り注がれ

ます。投げているのは屈強な漁師たちです。


ナンス「これくらいバラバラになったのなら十分

    だろ。また雑魚が湧くだろうからしっかり

    見張っておけよ」

漁師A「いやいや、お前もやるだろ?」

漁師B「1人だけ抜け駆けはすんなよ〜」

ナンス「バカやろうやめろって!俺もやるに決まって

    いるだろ。お前らと違ってバカじゃねぇん

    だからよ」

漁師A「俺らをバカだって言いたいのかよ!」

ナンス「え?事実を言っただけだろ」

漁師C「確かにそうだな。事実すぎるな」

漁師A「ほな、バカじゃないんとちゃうか〜」

一同「うわぁくだんねぇ」


汗臭い男たちが肩を組んだり、お互いの槍を見て

自慢をしたりしながら、国に帰っていきます。

凱旋とまではいきませんが、帰ってきた者たちを

迎えてくれるたくさんの老若男女がいました。


ナンス(魔術しか今のところ使ってきてない。

    俺はぶっちゃけ魔術よりも、物理の方が

    得意だからやめてもらいたいんだがな)


ナンスが職場の病院に色々思考しながら戻ると、

悲痛な顔をしてありもしない幻影に苦しむ人々が

いました。それを見ていつもの様な態度ではなく、

真摯に振る舞うナンスがいたのでした。






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