part36
6月24日18時19分、休息を取ろうとしている国々を
叩き起こそうとする者が出現。
同日18時25分、各国管理人がそれらを確認。
以降はそれぞれの報告及び証言である。
というような題の書かれた記録用紙を見つめながら
メアリはリリアと共に、4人からの報告を聞いていました。襲いかかってきた正体不明の推定悪と対峙した4人には、見たところ怪我はないようです。
リリア「それじゃあ皆んな、1人ずつ何があったかを
話してくれる?ナンスから順にレイチェル、
カルラ、ジルでお願いするわ」
ナンス「こんなに疲れてるってのに俺のことが可哀想
だとか思わないのかよ」
リリア「ごめんなさいね、でも今すぐにでも聞いて
おきたかったの。話してくれないかしら?」
レイチェル「さっさと答えてよね」
ナンス「はいはい、分かった分かった」
ナンス・マスティア)
まあ何かおかしいとは思ってたさ。魔力量が通常よりかなり多かったからな。海は元から魔力の溜まり場
みたいなもんだったけどよ、あの量はおかしかった。
通常で301.2569くらいだったのが500.2280だった
からな。しかも波を無視してるし。おかしいだろ?
最早笑えてくるよな。そんなこと思ってたら、
今日はこの様だったな。黒い服を見に纏った女が
国を攻撃した。魔力の根源がその女だって、ガキでも分かるくらいには膨大な量を持っていた。魔術しか
アイツは使ってこねぇからぶっ飛ばしたら案外早く
死んだ。それと同時に魔力も戻った。まあざっくり
これくらいだろ。
メアリはナンスの発した言葉をひとつひとつ記録しました。メアリの目に留まったのは魔力の数値の綺麗さでした。
メアリ(量も確かに多いけど、そんなに波が揃ってる
ことなんてあるのかしら)
魔力というのは常に流れているもの。物であれ生命であれ、等しく存在している魔力は一定の方向に流れるために数値は基本的には一定です。海の場合は『波』という現象があるため、魔力が一定にはなりにくく、
測定しても必ずブレます。しかし、ナンスが言うには
かなり多い魔力を全くの波なしで保っている敵がいたと言うのです。
レイチェル・オビズート)
私はよく分かんない男に出会ったわ。何か無駄に話
長いからすぐ殺ったけど、なんか『苦しみ』がどう
とか言ってた。謎の病も一部のヒトは治ったみたい
だし、男が関係していたというのはかなり可能性大
だと思う。正体はまあ当然分からなかった。
はい終わり。
かなり簡潔にまとめたレイチェルは、どうやら敵の
情報をあまり得ることなく殺めてしまったようです。
メアリ(あまり敵の情報が分からないわね。でも原因
不明の病が治ったのは国政的には
いいことね。でもこれからどうすればよいの
かしらね)
カルラ・ベルナエル)
えっと、今日は朝ごはん食べてからお散歩してたの!
そしたら小さい動物さんがいてね、触ろうとしたら
噛まれちゃったの。痛かったなぁ…。その子は走り
去っていっちゃったから仲直りできなかったの。
お散歩から帰ったらさっき噛まれちゃった動物さんが
いっぱいいたの!近寄ろうとしたら皆んな逃げ出し
ちゃったんだけど、皆んな食べ物咥えて走ってたの!
つまり泥棒さんだったんだよ!皆んなで頑張って
収穫したのに酷いよ…だから私、動物さんたちを
捕まえるために罠を国の皆んなで作ったよ!
そしたら私がもうしちゃダメだよって言うんだ!
殺しをしていないカルラが言うには、次は捕まえるために罠を全土に配置したようです。
メアリ(食料を持ち出す動物か…新しい害獣かしら。
人命には後々危害を被るかもしれないわね)
ジル・ワームウッド)
今まで市場区間から住居区間まで広くにわたり点在
していた根が動いた。住居区間の中心部に巨大な花が咲いた。得体の知れない粉を撒き散らし、ヒトも
建物も、触れた全てを溶かした。この短期間で甚大な被害をもたらしたが、花はその場から動けないことが幸いし、討伐を完遂。現在は治療と住民の避難を
行っている。市場の連中にも対処をできるように声はかけてある。以上。
淡々と話し終えたジルは吸っていたタバコを灰皿に
擦り付けました。1番被害が今回で出たのは『雷の国』
だとメアリの中で結論を下しました。
リリア「4人はもう記録したから戻って大丈夫よ。
わざわざありがとう」
カルラ「はーい!じゃあね皆んな!」
レイチェル「はあもうさっさと仕事辞めたいわ」
ジル「………………」
ナンス「後処理終わってんのかアイツら。
今日ばかりは早く寝てぇよ」
4人が帰ったあとリリアはメアリに言います。
リリア「メアリ、明日になったら4人に言うことが
あるわ。でも私は今日のうちに考えを
まとめないとだし、貴女の方が土地勘がある
から伝えに行ってほしいの。お願いできる
かしら?」
メアリ「分かりました、お姉様」
なぜ4人がいる時に伝えなかったのかが気になる
ところではあるものの、混乱している状態を改善するためには従うしかないと思い、メアリは明日のために出掛ける準備をします。




