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part32

レイチェル「そもそもそんな事してまでカルラを産み

      出した理由は何なのかまだ知らされて

      ないんだけど」


レイチェルは疲れて寝てしまったカルラを膝枕しつつメアリに問います。


メアリ「私たちの傘下に入るならっていくつか条件を

    提示したからよ。2つあったんだけど、

    1つは『風の国の民権の保障』、2つは

    『用意する統治者がヒトではないもの』

    だったわ」

ナンス「ヒトではないものってなんだよ。アイツら

    ただのゲスじゃねぇのか?だからといって

    禁忌冒してまでやるようなお前もおかしい

    けどな。ヒトを何だと思ってるんだよ」

メアリ「犠牲にするものが少ないならそれに越した

    ことはないわよ。それにカルラは元から造る

    ことは確定してたのよ。たまたま新しく役割

    ができただけよ」

ジル「…つまりお前は20年前から娘として…アイツを

   産み出したのか…」


メアリはジルに頷きます。


ナンス「いや何でそんな回りくどいことするんだよ。

    異性と結ばれてから産めばいいじゃねぇか」

メアリ「…その異性が嫌いだから自分で産み出すしか

    なかったのよ。子どもはずっと欲しかった

    から」


ナンスは深くため息を吐いて椅子に勢いよくもたれ

かかります。目の前にあるシューを口にしつつ、

メアリに言います。


ナンス「お前の勝手な都合で産み出したんだから、

    面倒事は押し付けてくるなよ」

レイチェル「右に同じく」

ジル「……俺もだ」


この後、カルラが起きるまでの数時間を各々で過ごしていました。


カルラ「私はどうすればいいの?」


カルラが起きて色々なことを話し合っていると、

カルラの口から質問が出てきました。


メアリ「カルラは『風の国』のヒトと一緒にお仕事を

    するのよ。ある時はここにいる3人と協力

    したり、私やお姉様の指示に従って何かしら

    の任務をやってもらおうことになると

    思うわ」

カルラ「わぁ!!とっても楽しそう!

    今すぐにでも行きたい!!」

ナンス「このガキ、いちいち騒がないと生きてられ

    ない身体なのかよ」

レイチェル「そんな腐った脳欠片で考えた戯言を

      吐かすのもいい加減にしてくれない?」

ナンス「ドスの効いてない暴言はただの妄言である

    ことを獣に教えてやらないと

    いけないのか?」


カルラより騒ぐ2人に対してメアリは咳払いを

します。


メアリ「分かったわよカルラ。一緒に国へと行きま

    しょうか。私の手をしっかりと握って

    ちょうだいね」

カルラ「はーい!!」


メアリは左手に現れた杖の先端を地面に軽くトンっと打ちつけます。次に目の前にあった景色は大木の中の大木が聳え立つ長閑な平原でした。


カルラ「ここが『風の国』なんだね!空気もとっても

    美味しい!!」

メアリ「…早速登場してもらおうかしら」


そう言うといくらかのヒトが2人に近づきます。


メアリ「連れてきたわよ、ヒトならざるものを。

    貴方たちにとって、最高の贈り物だと

    私は思うわ」

国代表A「まさか本当に連れてくるとはね…」

国代表B「認めるしかないようだな」

国代表C「いやだとしてもこんな非人道的なことを

     するやつらに私たちがあの紙1枚だけで、

     信頼しても大丈夫なの?」


ここまでしても認めたくないという様子を見せるヒトたちに、カルラは問いかけます。


カルラ「私じゃ役不足かな?皆んなは私がやらない方

    がいいと思ってるの?」

国代表C「本音を言えばそう思っていますよ…しかし

     約束は約束ですから」


その言葉を聞いた次の瞬間、カルラの雰囲気が一変

しました。今までの純粋無垢な様相から、一気に高圧で冷たくて恐ろしい気がカルラから放たれます。


カルラ?「お前たちが出した要望に素直に寄り添え

     ないなんていう我儘を私たちが通すとでも

     思ったのか?私がこの世に産まれた

     意味を考えて発言しているのか?

     答えてみろ、ヒトよ」



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