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part13

シュフレット「貴女が一つ頭を下げれば、すぐに

       許して差し上げますザマす!

       貴女をこんなボロボロにする必要は

       本来ないのでザマす!

       皆さんもそう思わない?」

沢山の女子生徒「その通りでございますわ!」

ヤマネ(なんやかんやで、ここまで無抵抗で

    来てしまったから、こんなにエスカレート

    してるんだけどね・・・はあ・・・

    体中痣だらけなんですが)


ヤマネはいじめっ子たちから暴力を受けるように

なってしまっていました。暴力は腕、足、顔と

ほぼ全身に痣を作っていました。しかし体に出来た

痣をヤマネは隠していませんでした。この神の世界、

神学生がいじめにあうのも仕方がないこととして、

無視・軽視されているのです。

この神の世界は完全実力主義。力なき者はこのように差別される。今まで変えられることがなかった

神の世界の摂理です。


ヤマネ「こうやって痣を露出させても、誰にも何も言われないのよね~」


ヤマネは全くと言っていいほど心配していない

様子ですが、本来は心が折れても仕方がないような

仕打ちであることは確かです。ヤマネは果たして

強がっているのか、本当に気にしていないのか

誰にもわかりません。・・・一柱を除いて。


ヤマネ「今日も来ましたよ、ワングナーフさん」

ワングナーフ「ヤマネの嬢ちゃんかい、今日も随分と

       派手にやられたんじゃないかい?」


ワングナーフ・ロイメトロン。古い時計屋の店主の

女神です。赤字の店をずっと昔から経営している、

何とも言えない趣深いお店です。ワングナーフは

ヤマネに食べ物を提供してもらっている代わりに

回復薬をヤマネに渡しているような女神です。


ヤマネ「ワングナーフさんったら、ここに下着を

    出しっぱなしじゃないですか!

    無駄に若々しいデザインを

    採用しているのも謎ですが!」

ワングナーフ「ちゃんと洗濯してるわよ!それに

       若い子たちのデザインを採用する事に

       嬢ちゃんにとやかく言われる筋合いは

       これっぽっちもないわよ!」

ヤマネ「あ~!今日のサラダあげませんよ!」

ワングナーフ「うげえ・・・それだけは・・・」


ワングナーフはヤマネと一緒に仲良く午後のひと時を過ごしていました。

傷だらけのヤマネの姿をじっと見つめて、

ワングナーフはため息をつきました。


ワングナーフ「その体・・・この前までの痣がまだ

       残ってるようね?」

ヤマネ「・・・まだありますよ」

ワングナーフ「この傷薬に対しての免疫でも

       できちゃったのかしらね」

ヤマネ「別に傷程度は残っていても大丈夫です」

ワングナーフ「大丈夫な理由がどこにあるのよ」

ヤマネ「別に周りの子たちだって理由は様々だけど、

    傷の1つや2つはあるんですよ?」

ワングナーフ「だからと言って傷があるのは、

       私はおかしいと思うのだけどね」

ヤマネ「そうなんですかね?」

ワングナーフ「・・・そのはずよ」

ヤマネ「あ、時間だ。じゃあ塾に行ってきまーす!」


こうしてヤマネはワングナーフの店を飛び出して、

塾に向かって走り去っていきました。

これまた傷だらけであろう少女の中途半端な広さの

背中を見て、ワングナーフは涙を流しました。


ワングナーフ「貴女は確かにみんなと一緒の生活を

       送っているかもしれないけれど、

       そんな傷だらけになる生活は・・・

       本来あってはならないのよ。

       私は大人になってから気ずいた。

       なんでこんな世界で生きていかないと

       いけないのかしらね。

       ヤマネ・・・私はあなたの親には

       なれないけど、私なりに支えるから。

       なんでったてこんな世界に、

       あの子は来ちゃったのかしらね」


ワングナーフのもっているこのような

『他人の心配をするべき』という考えは、この時は

かなり珍しいものでした。

どこにどれだけの傷がつこうが、

誰も気にかけません。誰も同情しません。

気にかけないからこそ、各神自身の心の負担は減っているのですが。


ヤマネ「私、ハイリーがいじめられてる姿を

    見ないよね。なんで差が出てきてんだろう?

    もしかして何かしらの秘訣があるのかも?!

    今度聞いてみよう!」

ソプラート「どうしたの?」

ヤマネ「ん?なんでもないよ!」

ソプラート「そういえば、ヤマネの足に傷がたくさんできているけれど・・・」

ヤマネ「最近学校で大けがしたからだと思うよ」

ソプラート「ふーん・・・ならいいんだけどね。

      何かあったらいつでも相談してよ?」


こうして塾の時間も終わりました。

また新しくヤマネの体か心、もしくはその両方に

とってつらい1日が更新されることでしょう。

ヤマネの感覚は麻痺してきており、かなり疲弊して

いるとも知りません。

これは重大な問題であると本来ならだれもが

気にかける状態であるにもかかわらず、

当の本人ですら気にかけていないこのおかしさを

認識するようになる日は来るのでしょうか?



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